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2017年9月29日金曜日

Raspberry Pi Zero Wのリチウムポリマーバッテリー化(その2)

Courseraの機械学習コースも終わったので、中断していたRaspberry Pi Zero Wのリチウムポリマーバッテリー搭載の作業の再開です(前回までの様子はこちら)。

Raspberry Pi Zero Wは小型で便利なのですが、スタンドアロンのWifiカメラとして使用する際に、既存のモバイルバッテリーだとちょうどいいものがないので、できるだけZero Wのサイズにフィットした電源供給方法を既存の部品などの流用でつくれないかという試みです。まだ試作段階なので、仕上がりなどは中途半端です。

部品類:
・アクリル板:67x30mm、2mm厚(Zero Wのサイズは65x30mm)
・電源用スイッチ(ON/OFF)
・リチウム充放電回路(出力:5V、入力:5V/MicroUSB)
・リチウムポリマーバッテリー:48x30mm、8mm厚、3.7V/1200mAh
・その他、M2.6、M2ネジ、赤黒ワイヤ、ポゴピン


電源供給端子:
まずは、Zero Wのどの端子に電源供給するか?という部分からスタート。以前も書きましたが、

上画像のPP1とPP6(Zero基板には端子番号がプリントされているようですが、Zero Wだとプリントされていない)に5Vを接続することにしました。この端子、PP1(5V)、PP6(GND)は、電源供給用のMicroUSBと直結しているようなので、ここに5Vを接続。直接ハンダづけしてもいいのですが、前回書いたようにポゴピンを接点にしました。
スイッチの中央の端子にポゴピンをハンダづけしています。スイッチは秋月で購入した表面実装用の小型なもので、足の部分を折り曲げてまっすぐにしています。これはZero WにおけるGND側の端子となります。そして、これをアクリル板をベースにして以下のようにとりつけます。
アクリル板にポゴピンと同じ径の穴を開け(段差もついているので2段穴)、差し込みます。そのままだと抜けるので瞬間接着剤で固定。手前のポゴピン(GND:Zero WのPP6端子へ)がスイッチと直結、奥のポゴピン(5V:Zero WのPP1端子へ)は赤ワイヤとハンダづけしてあり充放電回路につながっています。
ポゴピンの直径は1.5mm(アクリル板の貫通穴)、見えている電気接点となる先端が丸い部分は直径1mm、全体の高さが3mmと非常に小さいので作業も大変です。
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リチウム充放電回路:
一番悩んだのが、リチウム充放電回路です。今回は5V電源を供給するため、充放電回路に昇圧回路も内蔵しているものを探しました。Zero Wは3.3Vで動作するためGPIOピンに3.3Vを接続すれば動くようですが、5V電源も取れるようにということで5Vにしました。回路で昇圧して降圧するのでその分ロスが大きくなりますが、今回は5V入力の方向で。

条件としては、
・USB5Vで充電可能(できればMicroUSB端子つき)
・5V出力(昇圧回路つき)
・充電と放電が同時にできるもの
・できるだけ小型

以下は、前回試してみた充放電回路です。
左から、
・AliExpressで売っている昇圧充電回路(300円前後)
・アマゾンでも購入可能なTP4056搭載の回路(安い:100円前後)
・Wemos Battery Shield(AliExpressで200円前後)
・18650モバイルバッテリー内の回路流用(安い:AiExpressで100円程度)
上記各回路については前回参照。


上記以外にもいくつか試しに購入してみた結果、以下の回路が上の条件を満たしていたので採用。
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おそらくこれは18650モバイルバッテリーなどに内蔵されている回路だと思います。上画像上部に見えるのがMicroUSBソケット(メス)、ここからUSB経由で充電(5V入力)。基板真ん中付近のOUT-とOUT+端子が5V出力。ここをZero Wの電源端子へスイッチを介して接続。通常のUSBソケット(メス)を搭載できるような基板になっていますが、送られてきたものは、この画像にある通りUSBソケット(メス)はついていません。どうせ使わないので、このままのほうがいい。さらに基板下の左端とやや中央に見える穴がリチウムバッテリーと接続する端子。

配線図:ポゴピンはZERO Wの両端子の位置に取り付けます。
ただし、以前購入した18650モバイルバッテリー(100円程度)は、充電と放電が切り替え式になっており、充電しながらの電源供給ができないというタイプもたまにあるので注意。あるいは、充電中(5V入力)は5V出力するけれども、USB充電接続を外すとバッテリーからの出力に切り替わるため、昇圧回路が内蔵されていないものだと3.7V出力になってしまうものなどもあります。自分で充放電回路をつくったほうがいいかもしれないと思いましたが、面倒なのでいろいろ探しているうちに今回の回路(しかも安い)が見つかったというわけです。

この充放電回路は比較的小型なのですが、厚みが意外にあります。横からみると分かるのですが、基板の両面に部品が載っています。特にMicroUSBソケット(メス)が上面左にあり、コイルが下面右にあるため、全体的に厚くなってしまいます。そのため、以下のようにアクリル板にコイルの部分が埋没するように穴(直径6mm)をあけてなんとか厚さをを吸収しました。
それでも、コイル以外の部品ものっているので、スペーサーをいれて少し浮かせています。幸い固定用の穴も回路上についているので、アクリル板にネジ穴を切ってM2ネジで固定しました。ネジ固定されたので、充電の際のMicroUSBの抜き差しにも耐えられるでしょう。ちなみに、アクリル板とZero WはM2.6ネジで四隅を固定します。ナットは使用せず、タップでアクリル板にネジ穴を開けています。

バッテリー:回路の大きさによってバッテリーの大きさも左右されてしまうのですが、最低でも1000mAhのバッテリーという条件にして探してみました。30mm幅で厚みが8mmになるといくつかあり、今回は長さ48mmで1200mAhを使うことにしました。8mmも厚みがありますが、充放電回路もそこそこ厚みがあるので大丈夫でしょう。逆に薄さを優先するとバッテリー容量も減ってしまうので、このくらいがちょうどよさそうです。
AliExpress.com Product - Liter energy battery 3.7V lithium polymer battery 803048 1200MAH GPS navigator PSP game sound card1111円(送料込み)、保護回路つき。AliExpressでもリチウムポリマー電池はそれほど安くもないのですが、日本よりは安いかと。しかし、送られてきたのはTurkey Postからでした。最近バッテリーなどはトルコで生産しているのでしょうか?

全体的にはこのような厚み。バッテリー上面からZero WのHDMI端子までの厚さで15mmあります。バッテリーは両面テープで仮止めしています。さらに、これを全体的に覆うようなケースもあるといいかもしれません。いまのところGPIOピンは取り付けていないのですが(主にWifiカメラだけの使用を前提)、取り付けると更に厚みが増すので、もし使う場合はその部分もポゴピンにしてしまおうかと思っています。

ちなみにカメラをつなぐとこんな感じ。カメラを起動してもエラーがでるので、なんでだろうと思ったら、実はカメラの向きが逆でした。以下がこのカメラ(V1)に対しての正しい向き。ちなみにもう一つ持っている暗視カメラのほうは、この↑向きと同じ。カメラによって向きが異なる点も注意が必要です。
AliExpress.com Product - Free Shipping raspberry pi camera 5mp pixels RASPBERRY PI CAMERA739円(送料無料)、これは5メガピクセルのV1カメラです。フラットケーブルコネクタが基板背面についています。ちなみに最新のV2カメラは8メガピクセルにスペックアップしています。スペックの違いはここを参照
AliExpress.com Product - Raspberry Pi 2 Camera module 5MP OV5647 Night Vision Camera + 2pcs Sensitive infrared light compatible For Raspberry pi 3 camera2254円(送料無料)、こちらが暗視カメラです。5メガピクセル。カメラ両サイドに脱着可能な赤外線LED照明がついてます。このカメラの場合はフラットケーブルコネクタが基板上面についているので、先程のV1カメラとは向きが逆になります。

カメラは固定していないので、やや宙に浮いています。おそらく、上下にもう一枚ずつアクリル板などを重ねて、カメラの固定とバッテリー保護を兼ねてケース化するとよさそうです。右側に緑のLEDが光っているのが確認できると思いますが、とりあえずこの状態で動作確認できました。VNC経由でパソコンからもカメラ起動できましたが、何時間持つのかはまだ計測していないのでわかりません。確かWifiにつないでいる状態でも200mAくらいだったので数時間は持つかと。ただし、長期的な安定性などはまだきちんと検証していないので、その辺の問題はこれからでてくるかもしれません(今回使用した充放電回路もどの程度信用できるかわからないので)。


今回単にスイッチがついただけでも便利になりました。あとは、カメラとの一体化も含めた全体的なケースの制作です。
追記: その後、Aliexpressで以下のようなバッテリー(2086円、送料込み)を見つけました。 AliExpress.com Product - Raspberry Pi Zero 0 W UPS power Expansion board, integrated serial port, power detection



関連:Raspberry Pi Zero Wを購入Raspberry Pi Zero W:IPカメラ実験(Picamera)

2017年9月8日金曜日

Raspberry Pi Zero Wのリチウムポリマーバッテリー化(その1)

Raspberry Pi Zero Wは、小型なのでそのままスタンドアロンで使いたいところですが、外部電源を接続するとUSBケーブルが邪魔だったりするので、なんとかならないかと、Raspberry Pi Zero Wの外形(65x30mm)にあったリチウムポリマーバッテリーを探していました。

Raspberry Pi Zero Wの短手30mmと同じ30mm幅のリチウムポリマーバッテリー。そして、リチウムポリマーバッテリー(3.7V出力)を使うからには、DCDC昇圧コンバーター(3.7V→5.0V)兼充電回路も必要。
青いアクリル板の上にRaspberry Pi Zero Wが固定されていますが、左側の長い部分は後からカットする予定です。

リチウムポリマーバッテリーに関してはアマゾンで探すとドローン用も含めいろいろありますが、やはりAliExpressで探すともっと種類があり少し安いので、今回もAliExpressから購入。
Raspberry Pi Zero WをWifiカメラとして使う予定でもあるので、バッテリー容量は1000mAh程度あったほうがいいかと。そうするとこのサイズのバッテリー(30x50mm程度)だと厚さが8mmくらい。つまりは、Raspberry Pi Zero Wの裏側に昇圧/充電回路とバッテリーを配置するのでこんなサイズにおさめてみました。

Raspberry Pi Zero Wとの電源供給ライン:
Raspberry Pi Zero Wに外部バッテリーから電源供給するには、いくつか方法があるようです。
(1)PimoroniのLipo SHIM(手っ取り早いのはこの部品、しかし充電機能がない)
(2)Raspberry Pi Zero WのGPIO2(5V)とGPIO6(GND)に接続(こちらのサイトを参考に

今回は元々ついているMicroUSB端子に直結している5V電源の端子(基板裏にある2つの端子:PP1とPP6)に接続することにしました。

これは↑、Raspberry Pi Zeroの基板裏面の画像ですが、PP1(5V)とPP6(GND)に接続するといいようです(Raspberry Pi Zero WにはPP1やPP6はプリントされていないのですが同じ位置にある端子です)。ここに直接ハンダづけしてもいいのですが、今回はポゴピンをつかって接続しようと思います。


ポゴピン:
Raspberry Pi Zero Wの端子に直接ハンダづけしてしまうと、交換するさいに面倒なので今回はすぐに脱着可能なポゴピンを間にはさみます。
今回用いたポゴピンは非常に小さく、直径1.5mm(下部の段の直径2mm)、高さ3mm程度です。内蔵してあるスプリングで先端の丸くなっている部分が約1mm沈みます。右側の黒い円筒形のものは、このポゴピンを保護するためのもの?
AliExpress.com Product - 10pcs Ultra small spring loaded pogo pin Diameter 2.3mm 3.0mm heigth brass material with Gold plated 1u 331円(10個セット:送料無料)。

このポゴピンを2mm厚のアクリル板に1.5mmと2mmの段差のある穴を開けて差し込みます(以下)。

そうすると、こんな感じになります。通電テストしてみると大丈夫そうでした。そしてこのポゴピンの底面(上画像では上面)に導線をはんだ付けし、昇圧/充電回路と接続する予定。
ここまでの作業はCNCマシンを使えばよさそうですが、実は手作業でやっています。というのも、まだ試作段階なので、各寸法や部品の配置位置を検証していると言う感じです。


昇圧充電回路:
リチウムポリマーバッテリーの昇圧充電回路もいくつかあります。今回探しているのは、5V電源供給可能かつバッテリー充電可能な回路。
(1)18650モバイルバッテリー内の回路流用(安い:AiExpressで100円程度)
(2)アマゾンでも購入可能なTP4056搭載の回路(安い:100円前後)
(3)Wemos Battery Shield(AliExpressで200円前後)
(4)AliExpressで売っている昇圧充電回路(300円前後)
(5)Adafruits PowerBoost1000 Charger($19.95:かなり高い)
というかんじで、候補はこれくらい。

(1)の18650モバイルバッテリーに使われているUSBコネクタ付きの昇圧充電回路。ダイソーでも300円で売っているようですが、AliExpressなら100円以下。ただしバッテリー(18650)は含まれていません。
AliExpress.com Product - Blue Portable Mini 18650 Battery Charge Box Case 18650 External Backup Battery Charger With Key Chain f#UO87円(送料無料)。安いので、ここから部品取りをするといいのかもしれませんが、実はこの回路、充電時は放電シャットアウトするタイプのようです。つまり充電しながらの使用(放電)はできないようです。
(2)のアマゾンでもよく見かけるTP4056搭載の昇圧充電回路。
HiLetgo 3PCS TP4056 1A リチウム バッテリ 充電ボード ミニ USB 充電器モジュール 4.5V-5.5V [並行輸入品]
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3個で120円なので、かなり安い。中国製基板には品質のばらつきがあるので複数買って比較しながら使うといいと思います(どれかが不良品という場合もあるので)。
この基板は充電放電を同時にできますが、USB接続時(充電中)は出力端子からは4.2Vが出ているようです。そしてUSB充電を外してバッテリーだけで駆動すると3.7Vが出力されます。つまり出力が5Vではないので、5Vが欲しいならさらに昇圧回路が必要となります(降圧して昇圧するためロスが大きい)。

(3)のWemos Battery Shield。
AliExpress.com Product - Battery Shield V1.1.0 For WEMOS D1 mini single lithium battery charging and boost
259円(送料込み)
これはESP8266のWemos D1 mini用のバッテリー充電シールド。この基板だけで充放電可能。
USB接続中は5Vがそのまま出力されるようです。バッテリーだけでの出力については、まだ未検証(ブーストしてくれるようなのでおそらく5V出力)。D1 mini用のシールドなので端子が両端に並んでいるぶん、やや大きい。

(4)AliExpressでその他リチウムバッテリー用の充放電回路を探すと、
こんな回路も売っています。350円(送料無料)。充放電可能で、InputにUSB接続(5V)、Outputが5VなのでそのままRaspberry Pi Zero Wの5V入力に使えそうです。現在の候補はこれ。サイズ:23x15.4mmも比較的小さい。

(5)Adafruit PowerBoost1000 Chargerもよさそうなのですが$19.95と高い。
右下に見えるのが、PowerBoost1000 Charger。これも充放電可能のようで便利そうですが、とにかく高い。それと想定しているサイズより少し大きめなので候補から除外。23x45mm。

ということから、(4)の基板にMicroUSB端子(メス)を接続して使う予定です。それぞれ安いので購入して試してみました。
左から、(4)、(2)、(3)、(1)です。それぞれかなり小さいのですが、(3)のWemos用のバッテリーシールドだけちょっと大きめ。機能的には左端の(4)がいいのですが(5V入力、5V出力、充放電同時可能)、MicroUSB端子(メス)をはんだづけしなければいけない。それと、電源ON-OFFスイッチもつけなければいけない。

リチウムポリマーバッテリー:
バッテリーのほうはというと、様々なサイズがありますが、Raspberry Pi Zero Wのサイズが65x30mmなので、30mm幅のもので1000mAh程度を探すと、

AliExpress.com Product - 3.7V,1000mAH,[803040] PLIB; polymer lithium ion / Li-ion battery for GPS,mp3,mp4,mp5,dvd,bluetooth,model toy616円(送料無料)、40x30mm、厚さ8mmで1000mAhというのがあります。1200mAhだと50x30mmというのもあります。だいたいこのあたりのバッテリーを採用。保護回路もついているので、そのまま使えます。そこそこ厚みはあるのですが、充放電回路のスペースも含めRaspberry Pi Zero Wの外形にはおさまる感じです。
という感じで、パーツ類はほぼ揃ってきたのですが、一旦中断しています。このRaspberry Pi Zero Wとリチウムポリマーバッテリーを一体化して、さらにはカメラも装着して、コンパクトにまとめたIPカメラをつくることがとりあえずの目標です。
追記:続きはこちらへ
関連:Raspberry Pi Zero W:IPカメラ実験(Picamera)

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