bCNCのwikiではpipを使用したインストール方法が紹介されていますが、以下はAnacondaをでインストールする場合についてです。個人的にはAnacondaを利用したほうが便利だと思うので。
インストールの流れとしては:
・Anacondaをインストールした場合は、pipを使ったインストールの代わりに必要なモジュールは「conda install 必要なモジュール」でインストールする。
・コマンドプロンプト、ターミナルを使って、pyserialをAnacondaでインストールする(conda install pyserial)
C:\Users\username\anaconda3\python.exe(Windowsの場合)
/Users/username/opt/anaconda3/bin/python(Macの場合)
が表示されれば、このディレクトリのPythonが使われます。
Pythonから起動する:
Macの場合はダウンロードした「bCNC-master」フォルダ内にある「bCNC」ファイルをダブルクリックして起動することもできます。Windowsの場合は「bCNC.bat」をダブルクリックして起動。
bCNC-masterフォルダをDownloadフォルダ内へダウンロードした場合は以下のディレクトにあるはずです(Macの場合)。
/User/username/Downloads/bCNC-master
「bCNC-master」フォルダ内には「bCNC.py」ファイルがあるはずなので、それをターミナル(コマンドプロンプト)を使ってPythonで起動します。
python /User/username/Downloads/bCNC-master/bCNC.py
尚、
起動アイコンのつくりかたは下のほうに書いてあります。
pipやpyserialのモジュールの有無を調べる:
python -c "help('modules')"
を入力。そうするとアルファベット順にたくさんのモジュールが出てきます。その中にpipとpyserialが入っていればインストールする必要はありませんが、初期状態では入っていません。
あるいは、
pip list
もしくは
pip freeze
Anacondaの場合は
conda list
pipをインストールする(Anacondaを使わない場合):
まずpyserialをインストールする前にpipをインストールします。
easy_install pip
を入力。もし管理者権限がないためにエラーがでるようなら、
sudo easy_install pip
と入力すると、
Password:
が表示され、管理者権限パスワード要求されるのでそのままパスワードを入力。パスワードを入力しても画面には表示されないので、そのまま入力。
問題なければpipがインストールされます。
モジュールのインストールが上手くいかない場合:(
詳細はこちら)
python -m pip install -U pyserial --user
と入力すると、PC本体のシステム(ルート)ではなくユーザーごとのディレクトリにインストールされます。たまにシステムからインストール権限がないためエラーが出ることがあるので、この方法であれば大体大丈夫かと。
また、python2.7やpython3など、バージョンを使い分けてインストールするならば、
python2.7 -m pip install -U pyserial --user
python3 -m pip install -U pyserial --user
という感じになります。
インストールする場合に管理者権限パスワードが要求される場合は、ルートにインストールしているということなので、できればルートではなくユーザー以下のディレクトリかAnacondaなどで設定したローカル環境にインストールしたほうがトラブル回避につながります。
Anacondaであればこういったトラブルには遭遇しないかと思いますが、たまにバージョンの異なるモジュールをインストールしてコンフリクトを起こす場合もあります。Anacondaであれば、つくった環境ごと消去し再度環境をつくり直せばいいので簡単です。
pyserialのインストール:
pipを使ってpyserialをインストールする場合。
pip install pyserial
を入力。
管理者権限パスワードが必要なら、前回同様sudoを頭につけて入力(できれば管理者パスワードを使ってのルートへのインストールはしないほうがいいと思います)。
sudo pip install pyserial
もしアップグレードする必要があるならば、
pip install pyserial --upgrade
を入力。
上記の方法でインストールできない場合は、
こちらの方法で。
Ancondaの場合は、
conda install pyserial
pyserialがインストールされているか確認:
python -c "import serial"
を入力してエラーがでなければ、pyserialがインストールされたことになります。
あるいは、先ほどの
python -c "help('modules')"
を入力し、モジュールリストの中から確認。
もしくは
pip list
あるいは、
pip freeze
Anacondaの場合は、
conda list
bCNCのインストール&起動:
bCNCの
このページの緑色のボタン「Clone or download」から、「Download ZIP」をクリック。
適当なところにダウンロードし、解凍すると「bCNC-master」フォルダが出来上がります。「bCNC-master」フォルダを開き、Macなら「bCNC」、Winなら「bCNC.bat」をダブルクリックで起動。
ダブルクリックしても起動しない場合は、ターミナル(コマンドプロンプト)を起動して、以下のようにPythonを使って直接プログラムを立ち上げることもできます。
python C:\Users\username\Downloads\bCNC-master\bCNC.py(Winの場合)
python /User/username/Downloads/bCNC-master/bCNC.py(Macの場合)
*上記usernameは各自のユーザー名。
毎回この方法で起動するのが面倒という場合は、下の方に書いてある「
起動アイコン・ランチャー」の作り方を参考に独自の起動コマンドを作成するといいと思います。
Gitを使ってのインストール方法などについては
こちらへ(本家)。
bCNCとArduino Unoとの通信開始:
Arduino UnoとUSB接続しbCNCを起動したら上部「File」タブを押す。
Serial内のPort:でArduinoのポート選択、Baud:115200、Controller:Grbl、「Open」ボタンで接続開始。
Status:Alarmになったら、上部「Control」タブに切り替えて(以下画面)、
「Unlock」で解除(あるいは$Xをコマンド入力)。そうすると、Status:Idleに変わります。「Unlock」しないと以後の操作ができないので要注意。
「Open」ボタンを押しても、Status:Not connectedのままなら「Reset」ボタンでやり直し。
Unlock後(Idle状態)、下のほうにあるジョグボタン(十字ボタン)の操作が可能となります。
ジョグボタン右側にある数値10.0は10.0mm、ボタン一回で進む量です。一度に進む量は数値の周りにあるボタンで調整できます。
ジョグボタン中央の○ボタンは、WPos加工原点(0,0,0)に戻るボタンです。
「Home」はホーミングサイクル($H)、まだ設定していない場合は使えません(ホーミングについては
こちらへ)。
エラーなど生じたら「Reset」でソフトをリセット。
「Terminal」タブでGコード入力内容やエラーを確認:
上部右端「Terminal」タブを選択すれば、ボタン操作した内容がGコードとしてコンソール画面上に確認できます。ボタン操作したのに反応がないときは、ここでエラーがでているか確認できます。
先ほどのジョグボタン中央の○ボタンは、
G90G0X0Y0Z0
というコマンドを送信したことになっています。ボタン送信によるコマンドの内容を変更したい場合は、そのボタンを右クリック(あるいは中クリック)で設定し直すことができます。
「Command:」欄にコマンドを手入力する:
ボタン操作以外に、画面左下の「Command:」欄に直接Gコードを手入力できます。
「Unlock」ボタンのかわりに、$Xなどと直接打ち込んだほうが早いかもしれません。
画面の調整:
ラズパイ用の小さな画面に表示している際は画面がはみ出てしまうことがありますが、以下のように画面内の表示エリアを調整すれば大丈夫な場合もあります。
「State:」はクリックすれば折りたたむことができ、下の「Control」や「Command:」の表示エリアが少し上にあがります。また、中央の画面境目を左右に動かすことで、左右画面幅を調整することができます。
bCNCの使い方(利用例):
以下は、これまでのbCNC使用例のリストです。
・
G Code Sender(bCNCなど)
・
bCNCでGrbl1.1レーザーモードの実験
・
Jscutでオフセットカット設定、bCNC上で加工原点を移動する
・
Gコード38.2のプローブ設定とbCNCプローブ機能
・
Raspberry Pi3にbCNCをインストール&Pendant機能で遠隔操作
・
bCNCのIPカメラ化(実験段階)
また、CNCマシン使用前の設定については
こちらへ。リンク先では、bCNCではなくUniversal-G-Code Sender(UGS)を使用していますが、手入力設定なのでbCNCの画面左下のCommand:に同様のコマンドを入力することで設定可能です。
bCNCの日本語化:
最近(2017/01/22)、bCNCも日本語化されたようです。画面右上のほうに言語タブがあり、Japaneseが選べるようになっています。最新のbCNCをダウンロードしてみたら設定変更できました。
bCNCを他言語化するには、
このページにやりかたが書いてあります。このあたりは、オープンソースなので利用者(参加者)によって徐々に改良されていくという感じですね。おかげで見やすくなりました。まだ部分的に日本語になっていないところもあるので、
このページのやり方で追加更新していけそうです。
ホーミング($H)について:
bCNCの「Home」ボタンを押すと、Grblにおける$Hコマンドが送信され、ホーミングサイクルが開始します(
詳しくはこちらへ)。ホーミングを可能にするためには、XYZ軸にリミットスイッチをつけ、Grblの設定$22=1にしておく必要があります。ホーミングサイクルが終了すれば、CNCマシンは自分の位置(MPos:マシン座標)を把握できるようになりますが、ホーミングサイクルをしなくてもWPosを基準にして加工作業はできます。
リファレンス点復帰(G28、G30):
ホーミング後、G28(リファレンス点復帰)やG30(第2リファレンス点復帰)を入力することで、作業エリア中央やツール交換場所などの任意の位置へ自動で移動することができます。その設定をするには、ジョグボタンなどで任意の位置まで行き、その位置でG28.1あるいはG30.1を入力します。そうすると、その場所の座標がG28やG30用に登録されるようです(個人的には使ったことありませんが)。
いつものやり方(ホーミングなし):
だいたいは作業エリア中央で加工しているので、個人的にはホーミングは普段使っていません。MPos(機械座標)は無視して、WPos(加工座標)だけで以下のような流れでやっています。
・CNCマシン電源投入、bCNCと接続
・bCNCの「Open」ボタン(接続開始)、「Unlock」ボタン(初期ロック解除)
・材料を任意の場所(作業エリア中央付近)に固定する
・材料の左手前角(加工原点)までジョグボタンでXY軸を移動
・エンドミル先端を材料上面と接するまで(紙1枚はさんで)ジョグボタンでZ軸を下げる
・bCNCで「X=0」、「Y=0」、「Z=0」を押す(加工原点設定)、G92 X0 Y0 Z0でも可
・エンドミル先端を10mmほど上に戻しておく(安全のため)
・Gコードファイルを読み込んで加工開始
*Gコードファイル内の加工パスも、材料左手前角を加工原点にしておき、加工開始点は材料左手前角、加工終了後も材料左手前角に戻ります。
*Grbl設定は、$20=0(ソフトリミット:OFF)、$21=1(ハードリミット:ON)、$22=1(ホーミング:ON)にしてあります。
現在のGrbl設定:各設定コマンドについては
こちらへ
$0=10 (step pulse, usec)
$1=25 (step idle delay, msec)
$2=0 (step port invert mask:00000000)
$3=2 (dir port invert mask:00000010)
$4=0 (step enable invert, bool)
$5=0 (limit pins invert, bool)
$6=0 (probe pin invert, bool)
$10=3 (status report mask:00000011)
$11=0.010 (junction deviation, mm)
$12=0.002 (arc tolerance, mm)
$13=0 (report inches, bool)
$20=0 (soft limits, bool)
$21=1 (hard limits, bool)
$22=1 (homing cycle, bool)
$23=0 (homing dir invert mask:00000000)
$24=30.000 (homing feed, mm/min)
$25=600.000 (homing seek, mm/min)
$26=25 (homing debounce, msec)
$27=5.000 (homing pull-off, mm)
$100=320.000 (x, step/mm)
$101=320.000 (y, step/mm)
$102=320.000 (z, step/mm)
$110=1000.000 (x max rate, mm/min)
$111=1000.000 (y max rate, mm/min)
$112=400.000 (z max rate, mm/min)
$120=10.000 (x accel, mm/sec^2)
$121=10.000 (y accel, mm/sec^2)
$122=10.000 (z accel, mm/sec^2)
$130=740.000 (x max travel, mm)
$131=940.000 (y max travel, mm)
$132=190.000 (z max travel, mm)
オーバーライド機能:
Grbl1.1からはリアルタイムで加工中にもフィードやスピンドル出力数を可変制御できるようになりました。bCNCのControlタブを選択すれば以下のようなスライダーが表示されます。
この状態であれば、フィード100%(上段の100という数値)であり、スライダーを使って25%〜200%まで調節できます。Resetを押せば瞬時に100%の位置に戻ります。
その下のSpindleボタンでスピンドルON/OFF切り替え、スライダーで回転数(レーザーであれば出力数)を調整できます。ただし、スピンドルに関してはTTL端子付きの可変出力制御可能なスピンドル用ドライバを接続しておかないとこの機能は使えません。
スライダーにおける回転数や出力数は、Tools>Configで設定します。
スピンドルの回転数表示にしたい場合は、Spindle max(RPM)の欄へ使用しているスピンドルの最大回転数に合わせた数値を入力しておきます。こうすることで、回転数(RPM)から判断したいときは見やすくなると思います。
レーザーの場合は回転数ではないので、M3やM4で設定するS値(S0〜S1000)やワット数など入れておくといいと思います。
尚、設定したら一度bCNCを再起動する必要があります。
.bCNC(不可視ファイル)で設定する場合:
上記のTools>Configでマシンに合わせた設定がある程度できますが、ここで設定できないようなことは.bCNCファイル(不可視ファイル)に書き込むことで可能になるようです(
本家説明はこちら)。
.bCNCファイル(不可視ファイル)の場所は、ダウンロードした「bCNC-master」フォルダ内ではなく、パソコンのユーザーディレクトリ内にあります(Macなら/User/username/.bCNC)。
不可視ファイルを見えるようにするには(Macの場合)、ターミナルから、
defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles -boolean true
そして、
killall Finder
を入力します。これで不可視ファイルが見えるようになります。
元に戻すなら、
defaults delete com.apple.finder AppleShowAllFiles
そして、
killall Finder
を入力し不可視ファイルを見えない設定にします。
Windowsにおける不可視ファイルの表示/非表示に関しては、
こちらが参考になるかと。
追記(Mac用):
もっと簡単なのは、ファインダーを開き、左側のリスト内にあるホームディレクトリを選択し、「command+shift+.(コマンド+シフト+ピリオド)」で可視/不可視に切り替わります。
Pendant機能(スマホで遠隔操作):
CNCマシンとUSB接続してあるパソコン上のbCNC画面から操作する以外に、Wifi環境があれば
Pendant機能を使うことで、他の端末(スマホなど)からも遠隔操作可能となります。エンドミル先端と材料との距離を見ながら、手元のスマホで加工原点合わせすることも楽になります。
File画面↑で、Playボタン(Start pendant)を押せばすぐに使えます。他の端末のブラウザで「localhost:8080(あるいは192.168.X.X:8080などのローカルIPアドレス+ポート番号)」にアクセスすれば、以下のような操作画面が出てきます。
Androidタブレット上の画面です。
ここで、|Home|Unlock|Reset|の下に「Idle」が表示されていれば使うことができます。「Disconnected」と表示されている場合は、再接続した方がいいと思います。
Webカメラを使う場合:
パソコン(ホスト側)に接続したカメラ(Opencv、PIL:要インストール:pip install opencv pillow)をオンにすれば(以下の赤丸のボタン)、
http://localhost:8080/camera.html(あるいは192.168.x.x:8080/camera.htmlなど)にスマホなどからアクセスしてカメラ映像を見ることができます。例えば、スピンドル近くに設置したカメラで加工状況などをカメラを通して確認できます。
関連:
bCNCのIPカメラ化(実験段階)
タブ自動配置機能:
ルーターやフライス加工の際に、加工後半で部品が材料から完全に切り離されて、部品そのものの固定が不安定になってしまう時があります。そうならないようにTool>Tabsボタンで部品の周囲にタブ(部分的に部品と材料とつなげておく処理)を配置することができます。bCNCのwikiに説明が載っています(
こちら)。
Gコードの一番下のパスだけ選んだ後、Tabsボタンを押すと画面左に設定項目が出てきます。
ここで、タブの数、配置間隔、大きさ(Dx、Dy)、高さ(マイナスの値で入力)を設定。
この画面上部のTabsを押すと黄色いタブが生成されます。その後、Cutボタンを押し、厚みや深さなど設定し(場合によってはStockボタンの方でも材料の厚みなど設定し)、Cut設定項目上部のCutボタンを押すと、一番下のパスにタブ(一段上がったパス)が出来上がります。
パスが選べないとき:
もし、一番下のパスだけを選択できない場合は、すべてのパスが一つのHeaderやblockに入っているのかもしれません(Editorタブの画面に切り替える)。そのような時は、一番下のパスが含まれているパス用のフォルダを展開し、以下のように真横に視点を変えて、選択ツールで一番下のパスだけを囲んで選びます。
その際、左側に見える選択したパスの内容を確認して、抜けているような部分も含めてGコードをカットします。
左側のパス用フォルダのリスト上でペーストすると、先ほどカットした一番下のパスだけのデータがblockという名前で出てきます。ペーストされたフォルダの上下の順番を変えるにはUp/Downを押します。その後、一番下のパスを選ぶ時は、このパス用フォルダをクリックすることで選べるようになります。
不必要なフォルダはDeleteボタン、新たにフォルダを追加する時はAddなど、ここでGコードの編集が可能です。
オフセット(工具径補正)加工:
例えば、直径6mmのエンドミルを使用している場合、加工パス(加工する軌道)は、図面外形線に対して3mm分(エンドミル半径)外側や内側を通らなければいけません。bCNCではこの補正(オフセットしたパスを描く)も可能です(InkscapeやJscutでも可能)。
まず、Toolタブで画面を切り替えProfileボタンを押します。
そうすると画面左に設定画面がでてきます。
例えば、3mm外側をオフセット加工するなら、以下のように入力します。
Direction: outside(図形外側にオフセット)
Additional offset distance: 3.0(この場合3mm)
そして、オフセットしたい図形を画面内で選びます(青線になる)。
設定項目の上にある横長のProfileボタンを押せば、選択した図形の線(パス)が、3mm外側にずれてくれます。
この機能を使わずに、InkscapeやJscutなどであらかじめオフセット加工用のパスに変換しておくこともできます。もしオフセットされていないデータを使用するなら、このようにしてbCNC上でも可能となります。
アップデート確認:
Fileタブ画面内のUpdatesボタンで使っているbCNCが最新かどうか確認できます。
こんな感じで表示されますが、自動的にアップデートしてくれるというわけではないようです。Git pullでアップデートできるのかもしれませんが、そのままサイトからダウンロードした方が早いかもしれません。
常に開発中(改良中)のオープンソースなので、微妙にエラーなどでたりする時があります。調子が悪かったり、きちんと機能しない部分があるときは、アップデートした方がいいかもしれません。
起動アイコン・ランチャー:
テキストエディタで、「bCNC-launcher.sh」などと名前をつけたファイルをつくり(「.sh」の拡張子は省略可)、中にはシェルコマンドを書いておきます。
#!/bin/bash
cd `dirname $0`
python bCNC.py
シェルコマンドとしては、このコマンドファイルが置かれているディレクトリへ移動して、そこでPythonでbCNC.pyを起動という感じです。ちなみに、「`dirname $0`」に使われている「``」はバッククオート(Shift + @)で、「''」のシングルクオート(Shift + 7)とは違うので要注意。
記入したらファイルを閉じて、このファイルに実行権限を与えるため、
chmod +x bCNC-launcher.sh
と打ち込みます。
そして、このコマンドファイルを「bCNC-master」フォルダ内に入れておきます。あとはエイリアスをつくってデスクトップやDockに配置しクリックすれば起動するようになります(Macにおけるアイコンのつくりかたについては次の項目に書いてあります)。
PyenvとAnacondaを導入した場合:
PythonでプログラミングもするためAnacondaを導入したことから、
source activate py27
python bCNC.py
などとPython2.7の環境に切り替えてから起動するときもあります(「py27」はAnaconda内につくった任意の環境名)。しかしながら、pyenvとAnacondaの両方を導入すると「activate」が競合してしまうので以下のようなシェルスクリプトとなります。
#!/bin/bash
source ~/.pyenv/versions/anaconda3-5.1.0/bin/activate py27
cd `dirname $0`
python bCNC.py
Anacondaの仮想環境「py27」に入り、このスクリプトのあるディレクトリへ移動し、そこでpythonにてbCNC.pyを起動させるという感じです。pyenvのコマンドである「activate」と競合してしまうため、Anacondaの「activate」のフルパスを書き込んでいます。解決方法は以下。
「conda activate py27」へ変更:
このためなのか、conda4.4以上からは仕様が変わったようで、「source activate py27」と入力するよりも「conda activate py27」の使用が推奨されているようです。その場合は、「.bashrc」もしくは「.bash_profile」に書いてあるパスを書き換える必要があるようです(
こちらに説明がかいてあります)。
試してみたところ、「.bash_profile」に(「.bashrc」には書かない)、
export PYENV_ROOT=$HOME/.pyenv
export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"
eval "$(pyenv init -)"
. $PYENV_ROOT/versions/anaconda3-5.1.0/etc/profile.d/conda.sh
conda activate base
を書き込んでみました。5行目の「conda activate base」を書き込むと、Anacondaの「base(ルート)」環境に入った状態でターミナルが起動するので、それが嫌ならなくてもいいかもしれません。
そして環境を変えるには「source activate py27」のかわりに、
conda activate py27
を入力します。
これでpyenvとの競合がなくなったと思います。
またアイコン用のシェルスクリプトなら、
#!/bin/bash
. ~/.pyenv/versions/anaconda3-5.1.0/etc/profile.d/conda.sh
conda activate py27
cd `dirname $0`
python bCNC.py
とすればいいと思います。
アイコン画像のつくりかた(Mac):
任意の画像をアイコンにするには、画像ファイルをPreviewなどで開き、画像をセレクトオールでコピーしておきます。
そして、先ほどつくったコマンドファイルを右クリック「情報を見る(command+I)」で表示させ、左上にあるアイコン画像をクリック選択してペーストすればアイコンとして表示されます。
この他の機能については今後追記していきます。