grbl1.1+Arduino CNCシールドV3.5+bCNCを使用中。
BluetoothモジュールおよびbCNCのPendant機能でスマホからもワイヤレス操作可能。
その他、電子工作・プログラミング、機械学習などもやっています。
MacとUbuntuを使用。

CNCマシン全般について:
国内レーザー加工機と中国製レーザー加工機の比較
中国製レーザーダイオードについて
CNCミリングマシンとCNCルーターマシンいろいろ
その他:
利用例や付加機能など:
CNCルーター関係:



*CNCマシンの制作記録は2016/04/10〜の投稿に書いてあります。


ラベル Fusion360 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Fusion360 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2016年5月15日日曜日

CNC関連のソフト(まとめ)

CNCマシン制作の構想段階当初から、Macで使えるオープンソースのCNC関連のソフトをいろいろ探しています。数年前の流行が一段落したせいか、一見よさそうだけど開発が止まっているもの、便利そうだけどバグがあったりとなかなか見極めが難しそう。Macなので数はかなり限定されるのですが、いままで見て来たソフトのリスト。
Mac利用者からの見ての使いやすさで★〜★★★つけてます。初心者向けという感じで、必ずしも高機能がいいというわけではなく。すぐに使えるかどうかという基準で。それと今後の開発も期待できるかどうか。Linux系はMacでも使えることがあるけど、インストールが面倒だったり、Mac特有のバグがあったりするのであまり触っていません。Raspberry Piにインストールして使えば便利そう。

主には以下の5種類。

・2Dドローイングソフト:
  svg、dxfなどのフォーマットで出力できるもの

  Inkscape★★★
    イラストレータの代用(イラストレータのショートカットキーに変換可)。
    Extension(Plug-in)との組み合わせで充分使える。
    スナップ機能も細かく設定できるのでCADのように製図できる。
    Forumも充実しているし、2Dやレーザー加工はこれがメインで大体大丈夫だと思う。
    オフカット(Outset/Inset)機能でルーター加工パスもつくれる(使用例)。

・3Dモデリングソフト:
  stlなどの3Dフォーマットで出力できるもの

  Fusion360★★★
    3Dモデリング操作しやすい。
    無料版が最低1年間は使える。その後また更新?
    Gコードも生成可能。
    クラウドベースなので共同作業がやりやすい。
  Blender★★☆
    操作方法が独特で慣れるまで大変だけど、基本的に何でも作れる。
    Add-on(プラグイン)も豊富にある(シリアル通信なども可能)。
    BlendercamでGコード生成可能。
  ・SketchUp:★★★
    操作が直感的で扱いやすい。
    プラグイン「Export DXF or STL」をインストールすると便利。
    プラグイン「SketchUcam」をインストールすればGコード生成も可能。

・CAM/G Code Generator:
  図面データ(2Dデータ:svg、dxfなど、3Dデータ:stlなど)をGコードに変換してくれる

  Fusion360★★★(使用例
    3DモデリングしながらGコードも生成できる。3Dプリンターにもいいかも。
    商用ソフトでもあるので、かなり本格的(設定などが細かい)。
    レーザー加工用の機能がないのがちょっと残念。3D加工向きかも。
  Blendercam★★★(使用例
    Blenderと組み合わせて使えば便利。
    様々な3Dデータを読み込むことができるので、Gコード生成用としても使える。
    3D切削加工はほぼ可能。
  gcodetools(Inkscape Extension):★★☆(使用例
    やや開発が停滞しているようだけど、基本的なGコードは生成可能。
    最初は使い方に違和感を感じるけど慣れれば簡単。
  Laser Tool Plug-in(Inkscape Extension):★★★(使用例
    レーザー加工するならこのInkscapeとこのプラグインで簡単に設定できる。
    操作/設定がシンプルで使いやすい。
  ・Laserweb3/Laserweb4:★★★(使用例
    ブラウザ上のレーザー用アプリ。Laserweb4は単体アプリ化。
    Gコード生成とGコード送信もこれ一つで出来るので便利。
  Jscut★★★(使用例
    Webベースなのでブラウザ上で作業が可能。
    シンプルで使いやすい。オフカットなどのパスも生成可能。
    他のWebベースのGコードセンダーと組み合わせて使うと遠隔操作可能なので便利。
  ・PyCAM:★☆☆
    インストールが面倒、Macにはバグもあったり、しばらくは改善されなさそう。
  ・SketchUcam:★★★
    SketchUpのプラグイン。
    SketchUpと合わせて使うと便利。

・G Code Sender/Controller:
  Gコードを読み込んでCNCマシンへ送信したり手動入力制御したりするPC上のアプリ

  Universal-G-Code-Sender★★☆
    シンプルなので最初は使いやすいかも。
    grblとの相性がいいのかも。
    JavaベースなのでMacも充分使える。
    開発中の新バージョンに期待したいけどいつになるのか?
  GrblController★☆☆
    数年前までは使っている人もいたみたい。開発が止まっていそうで、今後あまり期待できない。
    基本的なことはできるけど、他に比べるとやはりいまいち。
  bCNC★★★(bCNCを使ってみたときの記事はこちらへ
    操作も比較的シンプル。
    dxf読み込み可能、基本的なCAM機能もある。
    Autolevel機能もあるので基板制作にも向いている。
    Pendant機能でWeb上からスマホなどで遠隔操作可能。
  LaserWeb/LaserWeb2/LaserWeb3/LaserWeb4★★★
    ブラウザ上の操作はシンプル。svg、dxf対応。Jscutと組み合わせると便利。
    Webベースなので遠隔操作可能(最近はWebベースが主流かも)。
    ブラウザ上でstlファイルを読み込むことができる。
    まだまだ開発が継続されているので今後も期待ができる。
  cheton/cnc★★☆
    これもWebベースでつかいやすそう。
    Webカメラでの監視、320x240 LCDディスプレイ対応の操作画面もある。
    Raspberry Piを用いて操作などすると便利そう。
    今でも頻繁に開発が進んでいそう。
  ・GRBLWeb:★★☆
    こちらもWebベースでRaspberry Piにインストールしてホストとして使うのかも。   
  ・Easel:★★☆
    X-CARVEやShapeoko(1or2)用のWebベース、CAD+CAM+GrblControllerソフト。
    X-CARVEやShapeoko(1or2)用だけれども使うことはできる。
    ただ、Machine選択でX-CARVE/Shapeoko(1or2)/Carveyしかないから戸惑うが、ウィンドウ下のAdvanced>> に進み、Advanced SettingsでMachine Inspectorを使えば大丈夫。
    細かい設定はないけれどもオールインワンなのですぐに使うにはいいかも。
    ステップバイステップで設定が誘導されるので初心者にはわかりやすい。   
  ・Mach3:☆☆☆
    MacなのでMach3とは無縁。

・G Code Interpreter:
  CNCマシンのマイコン(Arduinoなど)上のファームウェア
  Gコードからモーター制御してくれる
 ・Grbl v1.1:★★★(Grbl v0.9やv0.8はこちら
   Arduino Uno用。3軸制御まで。
 ・Grbl-Mega
   Arduino Mega2560用。
   以下のフォークされたバージョンでは4軸制御や3Dプリンター制御など可能。
   https://github.com/bdurbrow/grbl-Mega
   https://github.com/fschill/grbl-Mega
   https://github.com/HuubBuis/grbl-L-Mega
   https://github.com/fra589/grbl-Mega-5X
 ・GrblESP(ESP8266用Grbl)
   SPI通信により最大8軸。Wifi操作可能。
 ・Grbl_ESP32(ESP32用Grbl)
   基本3軸制御? Wifi/Bluetooth操作可能。
 ・Android対応ArduinoMega2560専用6軸ファームウェア
【EU Free VAT】CNC Part 4th Fourth A axis Rotary axis Dividing head K11-65mm 3 Jaw Manual Chuck with TailstockOriginal price: USD 233.37Now: USD 172.70

  ・LinuxCNC★★☆
    GrblもLinuxCNCに準じているようなので、すべてLinuxを使えばかなり便利そう。
    ただ、Linuxもやり始めると手間暇かかってしまう。
    少なくてもRaspberry PIを使ってできるかもしれない。
  ・TinyG★★☆
   Grblより強力そうだけど、それだけ値段も高いのでお手頃ではない。$165ドル。
   ファームウェアはAVR Studio(Win用)でアップデート。Mac用AVR Studioもあることはある。
  
  
まとめ:
基本的にはG Code InterpreterはGrblを使用。
2D加工するなら、Inkscape+Extension(gcodetoolやLaser Tool Plug-in)でGコードファイルを生成する。あるいは、InkscapeのsvgファイルをJscutで読み込んでGコードファイルとして出力。
特に2Dのレーザー加工の場合は、Inkscape+Laser Tool Plug-inで充分だと思う。
Gコードファイルを読み込んで実行するソフトは、Universal-G-Code-Senderがシンプルでわかりやすいかも。現在は、bCNCが便利なので(慣れたので)使っていますが。
3Dの場合は、モデリングは何のソフトでも構わないと思う。Sketchupなど使いやすいと思うソフトで。その3DデータをFusion360かBlendercamでGコードを生成する感じになると思う。

この際、Linuxにしてもいいのかもしれないけれど、手間暇かかるのでそこまではしないつもり。Macの環境でもそこそこつくりたい物はつくれそうだし、とりあえずあるものを利用するだけでも充分だと思う。

ただ今後はRaspberry Pi3を使い、wifi経由でWebベースのLaserWeb2、cheton/cnc、Jscutを使うのがよさそう。遠隔操作やカメラ監視なども可能になるし、ワイヤレスでどこででも作業が出来るというのがいい。スマホやタブレットで操作もできるようになるので。
個人的には、LaserWeb2に期待したい感じ。現在はstlを読み込めるけど、スケール変換などがまだできない。今後のロードマップを見ると、3Dにも力入れようとしているし、まだまだ発展しそう。以下のような画面。

追記:
普段は、G Code SenderとしてbCNCをつかっていますが、bCNCにはPendantという機能(ネットワークを使ってWeb上で操作する)があり、先ほどつかってみたらタブレット(ブラウザ上から)でリモートコントロールできました。

これ↑が、Pendant機能をつかったタブレットのブラウザ上の画面です。
いままで通りに、CNCマシン(Arduinoボード)とMacBookをUSB接続し、bCNCを立ち上げてPendant開始ボタンを押すと機能がONになります(以下)。

ホストとなるMacBook上でもブラウザが自動的に立ち上がって操作画面が出てきます。アドレスに「http://localhost:8080」とでているはずなので、ローカルネットワーク内の他のコンピュータやスマホなどからもアクセスできるはずです。
持っているタブレットでは「localhost:8080」ではアクセスできなかったので、数字でプライベートIPアドレス「192.168.3.3:8080」(MacBookのプライベートIPアドレスとポート)を入れてみたら表示できました。
つまり、MacBookはCNCマシン本体脇に、そしてタブレットやスマホを持ちながらZ軸に近寄って調整などが可能というわけです。ポートマッピングも使えば、外出先からも操作可能だと思います。
bCNCは、いろいろな機能があってかなり便利そうです。

関連:
G Code Sender(bCNCなど)

CNCマシン:Fusion360も試してみました

前回、Blendercamが使えるということがある程度分かったので、今回はいよいよFusion360を試してみます。ほかにもPyCAMやLinuxCNCも見てみましたが、Mac利用者にとってはいまいち開発があまり進んでいないようで、まだまだバグとかもありそうなので見送ることに。
というか、大体の人がFusion360に流れて行っているのではないでしょうか?


Fusion360のダウンロード:
ということで、ある程度Fusion360の動画で使い勝手を見てみて、早速ダウンロードしてみました。
画面右上のほうには、とりあえずトライアル30日間無料というのがあるのですが、そこをクリックすると、
こんな↑画面が出て来て、本格的に購入するか、教育バージョンで3年間無料か、非営利か年間$100K以下のビジネスのホビーユーザーで1年間無料かというのが、次に選べるようになっています。まだ30日無料トライアルにしたままですが、いずれにせよ最低でも1年間は無料になるという感じです。

モデリングは使いやすい:
モデリングについては動画でも見てみましたが、けっこう使いやすい直感的なインターフェイスという感じです。Blenderのような癖のある感じではないのですぐに覚えられそうです。
とりあえず、チュートリアルを見ながらやってみましたが、モデリングは何とかなりそうなので、すぐにGコード生成の仕方をいろいろいじってみました。
かなり細かい設定やいろんな加工の仕方があるので、情報過多で難しそうですが、普段使うものは限られてくると思うので、ひとつずつ設定していけばなんとかなりそうです。


レーザー加工はどうやる?:
以下の動画も見てみましたが、かなり手慣れた方法でモデリングしていました。

部材の厚みや間隔などを一旦変数化して、あとから数値入力によって簡単に編集し直す方法を使っています。たしかにこれは製品などつくる上では便利そうです(個人的にはあまり使わないと思うけど)。実はこの動画を見たのは、レーザー加工の手順を知る理由でしたが、最終的には部品のサーフェイスをdxfで出力保存して、あとは何かでやってくれというものでした。他の動画でもレーザー加工に関しては同じような感じでした。
2次元のレーザー加工の場合は、Fusion360を使う必要がないという感じ。おそらく手順としては、
Fusion360で3Dモデリング→一部をdxfで出力→Inkscape+Laser Tool Plug-inでGコード生成→bCNC
という手順になりそう。bCNCでdxfファイルを直接読み込むことはできるけど、レーザー用にスピンドルONや出力値(M3 S=1000など)のGコードを編集しなければいけないので、結局上記のような経路となってしまいます。
Fusion360なら全部ひとつのソフトでできるのかと思ったら案外そうでもないです。3Dプリンター用のボタンはあるので、3Dミリングか3Dプリンター用という感じでしょうか。


3Dミリング加工:
仕方ないのでミリング加工についてもいじってみました。チュートリアルもやってみましたが、手順通りに進めるとすぐに終わってしまうので、前回Blendercamでも使った3Dモデルでやってみました。
このデータはstlフォーマットです。直接ソフトでは読み込むという機能がないかわりに、一旦クラウドへアップロードしてから新規に開くという手順。基本的にクラウドで共有しながら共同でプロジェクトを開発していくみたいな感じになっているようです。
またこの凹凸がある表面を3次元的に削るというデータをつくってみます。
ネットにチュートリアルのサイトや動画もあるので、ここでは手順は省きますが、とりあえずBlendercamもそうでしたが、各項目の設定を入力していくだけです。加工の仕方や設定の種類はさすがに商用ソフトでもあるのでFusion360はすごいです。その分設定が細かすぎてすぐには全部を把握できない感じ。何回かエラーがでてきて、パスが表示されないこともありましたが、エラー内容を見ながら、ここかな?という感じで訂正していき、なんとかパス生成しました。


加工パス生成:
しかし、できあがった加工パス超高密度。エラーはでなかったけれども、これでは何時間かかるのかわかりません。
そして、出来上がったGコードをbCNCへ持っていくと、
こちらも真っ黒。おそらく加工に10時間以上かかるパス。
まあ、いちおう手順としては分かったので、なんとななりそうです。


Fusion360の印象:
チームで何かプロジェクトをやるときには便利そうです。プロのプロダクトデザイン用のソフトって感じです。ミリング機能に関しては本格的で金属など削るにはいいと思います。3Dモデリングも使いやすそうです。
個人的には、Fusion360だけですべて出来るのかと思っていたら(Gコードセンダーにもなるのかと思っていた)そういうわけはなかったです。いわゆるCAD、CAMソフトという感じでした。3D切削加工するときは使うかもしれませんが、シンプルな2D加工ならわざわざ使う必要もないかも。特にレーザー加工なら、Inkscape+Laser Tool Plug-inで充分かもしれません。


Fusion360操作ガイド CAM・切削加工編 1 2019年版―次世代クラウドベース3DCAD/CAM
三谷 大暁
カットシステム
売り上げランキング: 27,799

人気の投稿