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CNCマシン全般について:
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*CNCマシンの制作記録は2016/04/10〜の投稿に書いてあります。


ラベル レーザー焦点距離 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2016年5月12日木曜日

CNCマシン:レーザー焦点距離測定実験(その2)

以前は、レンズ先から素材までの距離10mm〜100mm(5mm間隔で)焦点距離測定実験を行いました。その結果50mmくらいが焦点距離とわかったのですが、今回は50mm付近をさらに細かく測定したいと思います。
以下が前回の結果。距離50mmでの線が最もシャープ。

前回の結果から、50mm付近を0.2mm間隔で照射してみます。前回の結果を見ると、45mmと55mmだと、45mmのほうがややシャープなので、おそらく45mm〜50mmの間に最適な焦点距離があると思われます。
上画像は、48.2mm〜52.0mmまでの照射実験です。レーザーモジュールを取り外したりしたので前回の実験と多少の誤差があるかもしれません。この結果では、50mmというよりも左端の48.2mmがシャープに見えます。なので、48.2mm以下をさらに細かく照射実験してみました。

上画像は、46.1mm〜48.0mmまでを0.1mm間隔で照射した結果です。左端が46.1mm、中央に47と書いてあるところが47.0mm、右端48と書いてあるところが48.0mmです。
これを見る限り左にいけばいくほど少しずつ線が太くなっています。おそらく47.5mmあたりが焦点の中心ではないでしょうか。肉眼で見る限りは、47.0mmから48.0mmの間であれば、どれも同じように見えます。ということから、47〜48mmあたりを焦点距離にすればいいのかもしれません。焦点深度が1mmくらいあると考えてもいいかもしれません。実際フェルトや紙(多少波打っている素材)を切る場合なら、2mm前後は誤差があってもそれほど問題にはならなさそうです。

前回制作した黒いレーザーシールド(代用品)を取り付けた場合、レンズチューブ先端からレーザーシールドの底面までは45mmにセットしてあるため、以下のように素材との間に2mm厚のABS樹脂板(レーザーシールドと同じ材料)を差し込めば、だいたい焦点距離になるという感じです。

そろそろ実制作のためのツールとしてCNCマシンが使えそうです。まずはレーザーをつかってフェルト生地を切ろうと思っているので、その作業に合わせたセッティングという感じです。


実験続き:
焦点距離が分かったので、ためしに薄い合板を切ってみることにしました。5.5Wのレーザーダイオードでどのくらい切れるのか?とは言っても、個人的には木材をレーザーカットはしないと思うけれども、一応参考のために。
合板は厚さ2.2mm。Gコードを手入力していたので、最初と最後の部分が焦げています。5.5Wを100%の出力で、1パスで切っています
大きい円が直径20mm、小さいほうが10mm。
フィード(mm/min:切断時のスピード)が、左から100、70、100、50です。
そして、裏側を見ると、以下のような感じ。

まず20mmの円をフィード100でやってみましたが、大体切れていましたが、少しだけ切れていない部分があったため、裏からカッターで切り落としました。それなら少し遅くしてフィード70なら完全に切れるかな?と思ってやってみましたが、裏からみると似たような感じで、大体は切れているのですが、あともう少しという感じ。
10mmの小さい円のほうもそんな感じです。小さい円の上側がフィード100、下がフィード50。もちろんフィード50のほうがゆっくり動くので切れていそうですが、表からみるとかなり焦げています。おそらく、これ以上スピードを落としてゆっくり切ると完全に切り落とすことができるかもしれませんが、かなり焦げてしまって、切断線も太くなってしまいます。単純にスピードを落としてゆっくり切ればいいというわけでもなさそうです。

まとめ:
焦点測定実験からも、1〜2mmの焦点深度があるために、焦点をどこに合わせるかで切れ方も変わってくると思います。今回の場合は合板が2.2mmで、焦点は合板上面に合わせてしまいました。
できれば焦点は合板の厚みの中間あたり、つまり合板上面より1mm程度下げたところを狙うとよかったのかもしれません。焦点から離れるほど線も太くなって焦げが目立つし、さらには切れ味も悪くなります。
それから、1パスで一気に切らないで、焦点を下げながら2パス、3パスでフィードも速めで切った方がきれいにきれそうです(次回試してみます)。フィード100でも90%以上切れているので、フィード200で、2パス(1周目は焦点を材料上面から0.5mm下、2周目は1.5mm下で)とかがいいかもしれません。焦点深度を超える厚みのある材料の場合は何回かに分けて切った方がよさそうです。このレーザーダイオードの場合なら、焦点深度を1mmと仮定すれば、1パスで切るには1mm厚までで、それ以上の厚みの場合は、1mmずつZ軸も下げながら3mmなら3パスという感じで切った方がいいかもしれない。
そうやって切っていけば、5mmくらいは簡単に切れそうです。がんばれば10mmも10パスくらいできれるのかもしれませんが、その場合ルーターで切ったほうがよさそう。


さらに実験:
先ほど書いたように1パスで切らないで2パス、3パスでの切断実験をしてみました。

すべて直径10mm、厚さ2.2mmの合板です。2パス切断は、1周目焦点距離-0.5mm、2周目焦点距離-1.5mmで行いました。左端のを除いては、すべて2パスでフィード(切断速度)を100、150、200に変えただけです。右から2番目の2パスF100は完全に抜け落ちてました。
裏返すと以下。
右から2個目が2パスでフィード200のもの。やはり一番速いせいか完全には切れていません。なので、フィード200のままで3パスにしたものが右端です。0.8mmずつ下げたものです。ほぼ切れています。裏面はきれいなほうですが、表面がやや焦げが多いです。
左から2番目がフィード100で、完全に抜け落ちていますが、その分少し焦げが多いので、ここまでフィード落とさなくてもいいという感じ。左端がフィード150で大体切れています。この程度がちょうどいいのかもしれませんが、やや裏面も焦げている感じです。

4つを比較すると、両端のどちらかがよさそうという感じですが、2パスF150のほうがいいかもしれません。パスの回数が増えると、表面がけっこう焦げてしまいますね。ということから、適度なフィードでパス数もあまり増えないようにということですが、いろいろ試してみないと分からないというのが結論です。

2016年5月5日木曜日

CNCマシン:中国製レーザーモジュールについて(まとめ)

レーザーの実験も終わったところなので、いままでのことをまとめておきます。

今回の自作CNCマシンでは、5.5W、12Vのレーザーモジュール(レーザーダイオード)を使っています。この手のレーザー加工機用のモジュールはEbayでも入手できますが、AliExpressで入手するのがほとんどでしょう。AliExpress内で「5.5w laser」や「5500mw laser」で検索すれば出てきます。
見た目はこんな感じのもので、レーザーモジュール本体、ドライバ基板(中央)、ACアダプターの3点セットになっています。もちろんマニュアルなし。Air Mail便で2週間前後で届きます。

AliExpress.com Product - 5.5w blue laser module high power focusing laser engraving and cutting TTL module 500mw/ 2500mw/5500mw laser tube+ gogglesAliExpress.com Product - 5500MW laser engraving machine 5W high power laser modules focusing head point wavelength 450m12v
ちなみに、これ↑は、5500mwのレーザーモジュール(6,757円)。たまに安いのがあります。

注意事項として:
購入する際も、一応内容のチェックをしたほうがいいです(メールやチャットで)。ドライバ基板はついてくるのか?ACアダプターは何V対応なのか?焦点距離はアジャスタブルかもしれないけど、大体どのくらいなのか?もし壊れていた場合返却できるのか?など。
マニュアルはないので、すぐに接続して試す前に、それぞれをテスターなどでチェックしたほうがいいです。ACアダプターの極性や電圧をチェックしてから、ドライバ基板に接続(このときまだレーザーモジュール本体はつながないほうがいいかも)。当然レーザー用ゴーグルも必要。ドライバ基板の各端子の極性や出力電圧チェック。配線の色が逆になっていることもあるので、それも確認するなど。レーザーを接続する場合も、異臭や異音を感じたら、すぐに電源OFFできるように身構えておく。燃えやすいものが近くにないかどうか。使用前と使用後の異常を確かめるためにも、最初にカメラで撮影しておくといいと思います。

出力と値段:
この種類、メーカーはどこのものなのか分かりませんが、0.3W、0.5W、1W、2W、2.5W、3W、4W、5W、5.5W、8W、10W、12W、15W、17W、20Wのバリエーションがあるようです。5.5Wで1万円前後、20Wで2万円前後という感じでしょうか。ショップによっても値段がかなり違いますが、画像は同じものを転用しています。購入するときはメールやチャットで内容を確認したほうがいいでしょう。


AliExpress.com Product - Blue Laser 15W Laser Engraving Machine Focusable High Power Laser Module 450nm TTL/Analog with Power Supply CNC Engraver Cutterダイオードレーザーではかなり強力な15Wレーザーモジュール。18,509円(送料込み)

17Wで33,576円(送料込み)。

また最近(2019年)では、以下のようなセットもありました。以前に比べるとかなり安くなってきました。

AliExpress.com Product - Powerful 20W 450nm blue laser module DIY laser head for Master Series CNC laser engraving machine Accessory with Wrench20W ダイオードレーザーCNCマシン、21,140円(送料込み)


レーザー加工機としてどのくらいのW数がいいか?:
国内のSmart DIYsの「FABOOL Laser mini」は1.6Wのようで、3Wにも拡張できるようです。おそらく、一度手にするともっと出力数の高いものが欲しくなってくると思います。1.6Wで柔らかい木材2mm切断できるらしいです。5.5Wで4〜5mmくらいでしょうか。アクリル板も切りたいと思うかもしれませんが、この手のダイオードレーザーだと透明アクリルは光を透過してしまって切れないようです(黒いアクリルなら可能)。もし分厚いアクリルも切りたいのであれば、Smart DIYsの「Smart Laser CO2」などの40Wクラスになってしまうでしょう。透明アクリルでも10mmまで切れるようです。ただし248,000円(税抜き)とかなり高額になってしまいます。中国製の40W/CO2レーザーであれば8万円前後で買えますが、電源やソフトなど改良する必要があるかもしれません。

AliExpress.com Product - 40w co2 3020 laser engraving machine,3020 laser cutting machine,engrave size 30*20cm support CorelDRAW output
中国製CO2レーザー40Wなら、こんな感じ↑(約68000円/送料込み)。これなら透明アクリルも切れるはずです。


ルーター、ミリングマシンという選択:
今回CNCマシンを制作するにあたりそんなことを考えましたが、やはり20万円以上も費やすのは高いかなと。分厚いアクリルなどを切るならルーターやミリングマシンで切った方がいいんじゃないかと。そうすれば、アルミなどの金属加工もできるし、レーザーとミリングの使い分けがいいのではないかと。
レーザー加工機の場合は、基本的にXY軸だけで済むし切断する材料から切削抵抗も受けないので、それほど剛性のある構造にしなくてもいいのですが、ルーター/ミリングマシンの場合は剛性をあげないと切削抵抗に耐えられなくなってしまいます。なので、レーザー加工機をルーターマシンに転用することはできませんが、その逆は可能なので、CNCルーターマシンをつくるという前提のほうがよさそうです。
もし自作しないのであれば、「Shapeoko3」や「X-CARVE」のような$1000くらいのXYZ軸の3軸CNCマシンを購入して、そのヘッドにレーザーモジュールを買い足せば15万円くらいで両方使えるようになると思います。当然自作すれば10万円以下で両方が可能になるはずです。
ミリングマシンであれば、基板制作も可能になるというメリットもあります。
ということから、レーザーの場合は例え5万円前後の10Wダイオードレーザーを装備したとしても、値段の割にはあまり大した物は切れないので、あくまで薄い素材を切るか、切るというよりも表面刻印加工用として考えたほうがいいかもしれません。どうしても分厚いアクリルなどをレーザーできれいに切りたいというのならCO2レーザーになってしまうと思います。

レーザー加工機を自作する場合:
ミリングは必要なく、レーザーだけでいいのであれば、3万円もあれば作業エリア500mm角くらいのものをつくることができると思います。何Wのレーザーにするかでコストが変わるので、レーザーモジュールを除いた部分(XY軸の2軸CNCマシン)だけであれば2万円くらいでつくれると思います。
必要なのは:
モーター:ステッピングモーターNEMA17クラス2個
送り機構:2GTタイミングベルト+タイミングプーリー
直動機構(構造フレームも兼ねる):V-slot Rail+solid V-wheel
制御:Arduino+ステッピングモータードライバ
その他:配線材料、ネジ類、ブラケット、リミットスイッチなど
しかし、AliExpressで2万円くらいで2Wレーザーカッターキットが買えるので、それをベースに改造したほうが早いかもしれません。Arduinoで動くものが多いので、Arduinoが使えるのであれば特に問題ないと思います。付随のソフトに問題があるのであれば、オープンソースのgrblやUniversal G-Code Senderを使えばいいと思います。自作についてはソフトとハードともに、Shapeoko wikiReprap wikiなどから充分情報が手に入ると思います。

AliExpress.com Product - benbox 2000mw laser engraving machine cutting maching laser engraver big working area 65*50cm support laser power adjust2Wレーザー加工機、21,671円(送料込み)

ダイオードレーザーモジュールの構成:
CO2レーザーはあきらめるとして(かわりにミリング加工する)、それでもレーザーでしか切ることができない柔らかい素材や刻印加工もあるので、一概にダイオードレーザが使い物にならないというわけでもありません。レーザーモジュールを買うなら、上画像にあるようにTTL端子のついたドライバが付属しているか確認したほうがいいと思います。

以下はダイオードレーザー用のTTLドライバ単品。

AliExpress.com Product - TTL driver board,laser driver board 2879円(送料込み)



こんな感じで↑、ドライバ基板にTTL端子がついています。ここにArduinoなどのマイコンをつなげばレーザーの可変出力を可能にします。何もつながなければ、手動によるON/OFF制御になってしまいます(具体的な配線についてはこちらへ)。

ドライバ基板は全体的にはこんな感じになっています。大きさは幅50mm、奥行き30mm、高さ25mm程度。右上が先ほどのTTL端子+-、その下の赤黒ケーブルがついている端子が電源DC12V端子、左側にLD+-端子(レーザー本体につなぐ)、その下がFAN+-端子(レーザー本体につけるDC12V用クーリングファン)。LD端子+からは約5.5Vが出ていました。

左に見えるのが付属のACアダプター、INPUT:AC100〜240V 50/60Hz DC12V 2A。レーザー本体は、32.5x32.5x65mmくらいの大きさです。先端と反対部分にファンがついており、ケーブルも別です。回路も含めてレーザー本体は、ほとんどが黒塗りのアルミ製ヒートシンクで囲われており、中心に円筒状(径18mm)になって入っています。
この状態で電源をつなげばすぐにレーザーは使えますが、いきなり最大出力がでるので注意しないといけません。
そのために、レーザー防護用ゴーグルが必要になります。

レーザー防護対策:
レーザーの安全基準(オムロン)を見てみると、大抵のレーザ加工機の場合は最も危険なクラス4に入ると思います。なので一度読んでおくといいと思います。
レーザ用ゴーグルなどがないと目に損傷を与えてしまうので、もし複数の人数で作業している場合は全員着用する必要があると思います。できるだけ見ないように注意しても、予期せぬ反射光が目に入って来たり、ゴーグルを着用していても頭をちょっと動かした際にゴーグルと顔との隙間から光が入ってくることもあります。当然、何も防護していない他の人やペット類がいるような場所での作業は控えた方がいいと思います。
個人的な経験ですが、レーザーの焦点実験などしていると、レーザーゴーグルをつけているにもかかわらず、なんとなく目が疲れたような感じになります。顔もなんとなく日焼けしたような感触を得ます。それだけレーザーの反射光を顔に浴びているということだと思います。

国内の防護ゴーグルを購入しようとすると2〜3万円くらいします。

リケン レーザー保護メガネCO2レーザー RSX4CO2
理研オプテック
定価 ¥21,600
Amazonで詳細を見る

安いものであれば、

BOSCH(ボッシュ) レーザーメガネ BL-GLASS
ボッシュ(BOSCH)
売り上げランキング: 105,133

ボッシュ製らしいですが1620円。

安いですが、これもきっと中国製だと思います。なのでAliExpressで同じようなものを探すと、
これ↑なんかは、一個155円(送料無料)
いちおう使っているレーザーの波長をチェックして、それに対応するものを選ぶ必要があります。
レーザーの種類、出力数によっては、品質の高いものを選んだほうがいいと思います。それと、安いものだと完全にレーザーを遮光するというわけでもないので、レーザーゴーグルを装着したからと言って直接レーザー光を見ないようにしたほうがいいと思います。遮光というよりは、あくまで軽減ということなので。

前述のレーザーモジュールの場合450nmなのでその波長をカバーしているかどうか?それと安全性の基準となるOD値(Optical Density:光学濃度)が書いてあるはずなので、それもチェック。書いてないようなものは買わない方がいいと思います。
この表↑を見るとOD値が大きいほど安全という感じです。

それと、ゴーグル以外にもレーザー遮光アクリル/シートなどあるといいかもしれません。ただしこれも結構高いです。
AliExpressで安く売ってるかと思うと、そうでもありません。
これ↑は、Laser Safety Windowという厚さ5mmのアクリル板ですが、50x50mmサイズで2203円(送料込み)もします。

他には、アメリカのJ-Tech Photonicsにある以下のもの。
12インチ角(約300mm角)で$16.99しかしないのですが、送料が$63.61もするので、8000円くらい。このサイトに利用例がありますが、以下のようにするだけでもかなり目に入ってくる量は減ると思います。

使っているレーザーの焦点距離が素材まで50mm程度なので、できればレーザーモジュール下の部分を箱状に囲ってしまうともっといいはず。そうすれば、いちいち怖がらずにどんどん作業できそうです。

追記:
最終的には以下のように、安価なレーザー用ゴーグルを材料にシールドを自作しました(そのときの内容はこちら)。


レーザー用ソフトなど:
Inkscapeで描画しGコードを生成するには、
Laserweb3(Grbl1.1対応のブラウザベースGコード生成+送信アプリ)
があります。
特にLaser Tool Plug-inは、Inkscapeのプラグインであり、レーザー加工機用につくられているのでInkscapeで描画しつつ、それをすぐにGコード変換できるので使いやすいと思います。あるいは、Laserweb3ならInkscapeで描いた図面等を取り込んだ後、Gコード生成とGコード送信が一つのアプリで可能なので便利です。
レーザードライバのTTL端子への出力値や刻印加工の設定も簡単にできそうです。
Arduino+grbl0.9(あるいは1.1)を使っている場合は出力値0〜1000の値を入力します。1000で100%、500で50%、0で0%。

レーザーの焦点距離:
きちんとした製品であれば、マニュアルなどに焦点距離について書いてあるはずですが、上記の中国製レーザーモジュールの場合、当然マニュアルなんかはついてきません。なので自力で探し出すことになります。もしくは買ったショップに問い合わせてみてもいいかもしれませんが、商品を売ってはいるものの、その商品の細かな内容についてまで知っているとは限りません。
設定が悪いとせっかく高出力のレーザーであっても半分の能力しか発揮できないということもあり得ます。まあ仕方ないですが、それも経験や学習から向上させていくしかありません。

焦点を合わせるには2カ所調整する必要がありそうです。
まず、先端部分にレンズが内蔵されたアルミチューブがあります。これを回すと前後に位置を調整できます。

こんな感じで飛び出してきます。中のレーザーダイオードからレンズまでの距離を合わせる必要がありそうです。
まず、レンズチューブ先端と素材を50mmくらい離して照射してみて、一番光点が小さくなるように調整します。もちろんゴーグルは必須です。できれば、出力を下げてやったほうがいいのですが。
ただ問題は、このレンズチューブを緩めると(飛び出させると)、ネジ山のあそびが多すぎるせいか、すこしぐらぐらしてしまいます。締め付けるために薄型ナットを取り付ける方法もあるのですが、M9ピッチ0.5mmという特殊なナットが必要になります。そのようなもので管用ナットというのがあるのですが、国内だとM9ピッチ0.75mmが主流のようでなかなか見つけるのが大変です。それならそのナット(締め付ける部品)すら自作したほうがいいかというと、


いちおうAmazonでもM9ピッチ0.5mm(1300円+送料880円)のタップは購入できます。しかし、たかがナット一個のために2180円も費やすのももったいないというのであれば、

こんな感じで、プラスチックの板などに径8.5mmくらいの穴をあけてから、アルミのレンズチューブ根元についているネジ山を利用して、タッピングしてしまうという手があります。そうすればプラスチックの板がレンズチューブを締め付けるナットになってくれるというわけです。これでレンズチューブを飛び出させてもぐらぐらしなくなります。
こんな方法で、内部のレーザーダイオードとレンズの距離を合わせたら、つぎは素材との距離を計測します。およそ50mmくらいだと思うのですが、レーザーの種類やレンズの種類によっても異なるかもしれないので、いちおう距離10mmから100mmくらいまでを5mm間隔くらいで照射実験します。

これが実験結果ですが、下のほうに手書きしてある数字が距離(mm)です。つまり左側10mmから徐々に5mmずつ離していって照射してみたということです。これを見ると分かるように、距離50mmが一番線がシャープになっています。50mmから離れるほど、線が太くなり、さらには線が薄くなっていくのが分かるかと思います。これは5mm間隔でやっていますが、さらに今度は45mmから55mmの間を0.5mm間隔などで実験すれば、さらにもっと正確な焦点距離がわかるはずです。という感じで焦点距離を探すように調べてみるといいと思います。

追記:
その後、0.1mm単位で焦点距離を調べてみると46.5〜48.5mmくらいでした。肉眼で見る限りでは約2mm前後のずれがあってもシャープさが鈍る感じではありませんでした。2mmの焦点深度があるような感じです。

いちおう以下に、10mmから100mmまで(5mm間隔、合計20本)の実験につかったGコードを書いておきます。
Arduino UNO+CNC ShieldV3.5+grbl0.9jで、PWM機能を使ってレーザードライバのTTL端子へつないで出力調整できるようにしてあります。尚、実験レポートは前回の投稿に書いてあります。

M05 S0
G90
G21

G1 F600
G1  X10 Y60 Z10
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X10 Y10 Z10
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X15 Y60 Z15
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X15 Y10 Z15
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X20 Y60 Z20
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X20 Y10 Z20
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X25 Y60 Z25
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X25 Y10 Z25
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X30 Y60 Z30
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X30 Y10 Z30
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X35 Y60 Z35
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X35 Y10 Z35
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X40 Y60 Z40
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X40 Y10 Z40
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X45 Y60 Z45
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X45 Y10 Z45
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X50 Y60 Z50
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X50 Y10 Z50
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X55 Y60 Z55
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X55 Y10 Z55
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X60 Y60 Z60
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X60 Y10 Z60
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X65 Y60 Z65
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X65 Y10 Z65
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X70 Y60 Z70
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X70 Y10 Z70
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X75 Y60 Z75
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X75 Y10 Z75
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X80 Y60 Z80
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X80 Y10 Z80
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X85 Y60 Z85
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X85 Y10 Z85
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X90 Y60 Z90
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X90 Y10 Z90
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X95 Y60 Z95
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X95 Y10 Z95
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X100 Y60 Z100
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X100 Y10 Z100
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1  X105 Y60 Z105
G4 P0 
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X105 Y10 Z105
G4 P0 
M05 S0

G1 F600
G1 X0 Y0
M30

CNCマシン:レーザー焦点距離計測実験

レーザーのほうの準備が整ったので早速実験開始です。今回はレーザー切断するための、対象との焦点距離を計測します。レーザーは5.5W 450nmのブルーレーザーです(約17000円でAliExpressより入手)。
50mmの線を5mm間隔で20本引き、一本引くことにZ軸を5mmずつあげていくという実験です。Inkscape+Laser Tool Plug-inで5本くらい線を引いて、Gコードとして吐き出したものをTextEditで開いて、Z軸が5mmずつ上がる部分を書き足しました(以下6行目:G X10 Y60 Z10のZ10が5ずつ増えていき、Xも5ずつ増える)。最初の3行以降、9行ずつ一本の線を引く内容になってます。

M05 S0 (レーザー停止、出力0)
G90 (絶対座標設定)
G21 (単位mm設定)

G1 F600 (フィード600mm/min速度設定)
G1  X10 Y60 Z10 (座標X=10,Y=60,Z=10へ移動)
G4 P0 (待ち時間0)
M03 S1000 (スピンドル/レーザーON、出力100%)
G4 P0 (待ち時間0)
G1 F400.000000 (フィード400mm/min速度設定)
G1  X10 Y10 Z10 (座標X=10,Y=10,Z=10へ移動)
G4 P0 (待ち時間0)
M05 S0  (レーザー停止、出力0)

G1 F600
G1  X15 Y60 Z15
G4 P0
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X15 Y10 Z15
G4 P0
M05 S0

・(中略)

G1 F600
G1  X105 Y60 Z105
G4 P0
M03 S1000
G4 P0
G1 F400.000000
G1  X105 Y10 Z105
G4 P0
M05 S0

G1 F600 (フィード600mm/min速度設定)
G1 X0 Y0 (原点へ移動)
M18 (プログラム終了) M30(プログラム終了)

こんな感じのGコードです。合計20本の線。M03 S1000でレーザー出力最大です。
追記:
最後の行にある「M18」は、grblではエラーがでるようです。M30に書き換えたほうがよさそうです。これについてはこちらへ


シナランバーコア合板に照射します。先端のレンズチューブからの距離10mmから100mmまでを計測。
bCNCで見るとこんな感じ。階段のように上がって行く感じです。以下(なんか途中からちょっとずれてるけど大丈夫でしょう。あとで確認すると一段ずれていたようです)。

ということで、読み込ませたGコードをスタート。


実験開始です。レーザー防護ゴーグルをしていたので、どんな感じの写真になっているかはそのときは分かりません。危険な光がでてます。

いちおう順調。危険なので、あまり見てません。単純な線なので面白くはないです。
数分かかって終了です。

ボケボケですが、よくみると50(距離50mm)が、やたらとシャープな線になっています。50を中心として線が太くなって、さらには薄くなっているのが分かります。これはどうみても焦点距離は50mmという感じ。予想は当たりました(このレーザーが届いたときに試しに合板に照射してみたとき定規ではかったら、大体50mm前後がよく燃えてたので)。49mmか51mmか?というほど厳密にやらなくてもよさそうです。やってもいいのですが(その実験内容はこちら)、以下のもうひとつの焦点調節もあります。

実はこの実験をするまえに、レーザーのレンズ部分を多少調整しておきました。
先端のアルミチューブのなかにレンズがはいっています。これを回すと前後に動いて焦点調節できるのですが、前回投稿した内容のように、かなりガタがあり、いちおう内部にはバックラッシュ対策としてスプリングが入っていましたが、それでもなんかゆるゆるな感じです。なのでプラスチック板を間にはさんでぐらつかないようにしました。前回手動で焦点を合わせたときだいたい2mmくらい出っ張る感じだったので、このプラスチックの板の分だけ前に出ているという感じです。

レンズチューブを外すとこんな感じ。いちおうプラスチックの板はレンズチューブのネジ山(M9ピッチ0.5mm)でタッピングしてあるので、レンズチューブを締めることができます。焦点の合わせ方はけっこう適当で、回してみて行き過ぎたら戻るという繰り返しで決めています。照射してみて、見た目できるだけ細い光点になるようにしただけです。
こっちのレーザー本体の焦点もいちおう大体合わせてから、照射する物体との距離を合わせる感じになります。
今回の実験で大体は分かったので、試しにフェルトも切ってみることに。レーザー先端からフェルトまでの距離は50mmにしておきました(実験結果から)。

先ほどの距離実験の合板の上にフェルトをのせて切ったのですが、F300 S1000(5.5W 100%)で切ってしまったので出力が強すぎたようです。下の合板に貫通して普通に切れ目が入っています。

F300をF600くらいにもっと速くするか、レーザーの出力を50%くらいにしてもフェルトなら切れそうです(強すぎると焦げてしまう)。フェルトは木材と違ってあっさりきれてしまいます。とりあえず、これでかなり複雑な模様のフェルト切断も可能になったので(当初の目標)、さっそく使っていきたいと思います。

ということで今回の実験は終了。あとは切断する材料に対するちょうどいい出力値やスピードを見つけて行く感じでしょうか。
それとレーザ用のスイッチを手元につけないといけません。

前々回のトリマを使っての合板の切断と今回のレーザー切断が一応確認できたので一安心です。

関連:
レーザー焦点距離計測実験その2(より詳細な実験)

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