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2016年12月18日日曜日

Grbl1.1 Laser Modeの実験

さてGrbl1.1のレーザーモードの実験をしてみました。
前回も書きましたが、Grbl1.1では新たにLaser Modeが加わり、その中でもM4コマンドをつかった(従来まではM3)Dynamic Laser Modeという、レーザーヘッドの移動スピードに比例するようにレーザー出力をリアルタイムで調節してくれる新機能があります。今までは、スピードが落ちがちなパス折り返し地点や出だしの部分などで、焦げが目立っていましたが、それが解消(緩和)されるというわけです。どの程度効果あるのか、そしてどんな設定やコマンド操作するといいのか試してみました。
結果的には、従来に比べけっこう使えるんじゃないかという感じです。

使っているG Code SenderはbCNCです。今回は90度の扇形(半径20mm)の図面を描いて実験です(Inkscapeで描画、Laser Tool Plug-inでGコード生成)。直線部分、角の部分、そして円弧がある図形という感じです。特にいままでは、角の部分で焦げが目立っていましたが、どうなるかいくつかのパターンで試してみました。
画面左↑にGコードがあります。ちょうど水色の部分にM03があり、ここをM4に変更したりS値を少し書き換えていくつかのパターンをつくってみました。
結果は以下。
材料は厚さ2.2mmのシナベニヤ板。半径20mmの扇形。5.5Wダイオードレーザー使用。
まずは下の段から、
左端は、従来のM3 S1000 F200でカットしたもの(やや角に焦げが見えます)。
左から2番目、M4 S1000 F200。Dynamic Laser Modeなので、あまり角が焦げていません。なかなか効果あり。

M4でもS値を入力する必要がある:
ここで疑問に思ったことがあり(前回の投稿での疑問でもありましたが)、M4はスピード(フィード)に合わせてレーザー出力するのなら(M4の場合、スピードが0だと出力も自動的に0なる)、S1000はコマンド入力しなくてもいいんじゃないか?ということで試してみると、M4だけで出力値Sを入れないでRunさせると、レーザー自体出力していませんでした。つまり、M4 S1000などと出力したい値(おそらく100%のときの出力値)を入力しないとダメです。
ということで、右から2番目のが、M4 S500 F200。出力を半分に下げてのDynamic Laser Mode。少しわかりにくいかもしれませんが、左から2番目のS1000よりは弱いかなと。
わかりにくいので、右端がS100まで出力を落としたDynamic Laser Mode。ということから、M4の場合、Sの値は上限値という感じです。

レーザーモードのオン・オフ設定:
ただ、注意点としては、M3の場合は最初に$32=0という感じで、レーザーモードをオフにしておき、M4を使うなら$32=1に設定変更が必要です。M4での作業が終わればまた$32=0に戻すという感じ。M4が便利そうなので、$32=1のままでよさそうですが(M3はもはや使わないかも)。

リアルタイムオーバーライド機能:
それから、実験結果画像の上のほうにあるのは何かというと、Grbl1.1からはReal-time Overridesが使えるようになったので、もともとbCNCについているオーバーライド機能を使ってみたという結果です。
bCNCには、FeedやSpindleをリアルタイムで調節できるスライダーがついています。加工中ではないときでも、Spindleボタンを押せば、レーザーオン・オフや出力調整が可能です(いきなりレーザー光がでるので注意が必要です)。この画像↑の場合、Feedが最大200になっています。
追記:調べてみると、どうやらこの200は200%とということらしいです。100が100%でそれに対し、25%〜200%で可変制御可能ということみたいです。
このようにスライダを右にずらせばフィード50%などに変更できます。これを加工中(レーザー照射中)に変更するとどうなるかというのが、実験結果画像の上段です。上の段真ん中が、M4で加工中にフィードを200%から50%まで下げてみた結果です。Dynamic Laser Modeなので、理論的にはフィードが途中で変わっても、それに合わせて出力変化してくれるので、均一な加工結果になるはずです。ぐりぐり少しいじったので、円弧の部分でややムラがありますが、縦のラインはフィード200%で横のラインがフィード50%ですが、だいたい同じくらいの出力になっている感じなので、効果はでていると思います。

実験結果画像上段の右端は、M3で同じように加工中にリアルタイムでフィードを変化させたものです。Dynamic Laser Modeではないので、当然200%から50%に下げれば、それだけ焦げが多くなるはずです。まあ、そういう結果になっているので、やはりリアルタイムで調節可能ということが分かりました。

まとめ:
Dynamic Laser Modeはけっこう効果あります(焦げが少なくなるために、きれいに切断できる)。
Dynamic Laser ModeでM4を使うときは$32=1(レーザーモードON)にする。
従来のコマンド(M3)の場合は、
M3 S1000(レーザーON、出力100%)
でしたが、
Dynamic Laser Mode(M4)の場合は、
M4 S1000(S値:レーザー出力上限値、S500なら最高50%で出力)。
リアルタイムでフィード(25%〜200%)や出力値(0〜100%)も調整可能。
結果的には、Grbl1.1のほうがGrbl0.9よりずっと優れている。

要するに、どうすればいいかというと、Gコード上ではM4 S1000で出力値MAX、フィードもやや速め(M3のときの設定に比べれば1.5倍〜2倍)に設定しておき、bCNCならスライダで出力値やフィードを調整するという手順になるかと。なので、今回の実験のように、いちいちGコードファイルを開いて編集する必要もないと思います。

Inkscape Laser Tool Plug-inでの設定:
例えば、Inkscape Laser Tool Plug-inを使うならば、
こんな感じで、
Laser ON Command: M04、
Laser Speed: 200(これはやや速め/レーザーのW数による)、
Laser Power S#:1000(ここはGrblのスピンドルMAX出力値の1000)
にしておいてGコードを生成。
あとでbCNCなどのG Code Senderのほうで出力値やフィードは現場調整という感じ。

bCNCの画面折り畳み機能:
これはレーザーモードには関係ないですが、bCNCの場合以下のようにState▲をクリックすると、画面が折り畳めます(しばらく気づかなかった)。
bCNCの全体表示画面が大きすぎるとき(Raspberry Piの小さなモニターのときなど)、折りたたみ機能を使えば大丈夫というわけです。

2016年12月14日水曜日

Grbl1.1 Laser Mode:レーザーモードについて

grbl1.1からはLaser Modeが新たに追加された点が個人的には嬉しいことです。
特に、Dynamic Laser Power Scaling with Speedという機能がいままでにはない優れた機能だと思います。レーザーカット作業において、今までは特にパスの折り返し地点付近で焦げめが目立っていたのが、この機能で緩和され、より自然な切断が可能となりそうです。

grbl0.9までのレーザーカット作業の手順:
Inkscapeで図面(図形)を描画
・Inkscape ExtensionのLaser Tool Plug-inで出力設定してGコード生成(gcodeファイルで保存)
bCNCでgcodeファイルを読み込み加工作業
という流れでした。

Gコード的には(Laser Tool Plug-inで自動的に書き込まれる)、
M3(レーザー出力オン)
S1000(出力100%)
M5(レーザー出力オフ)
S0(出力0%)
M30(プログラム終了)
という感じでした。

主にM3を出力オンとして使っていましたが、grbl1.1ではM3だけでなくM4もあるようです。覚え書きのためにも以下に書いておこうと思います。

Grbl1.1のLaser Mode:
Grbl1.1 Laser Modeのページを見てみると、
まず、レーザーモードにするには、
$32=1
を入力するようです。当然レーザーを使わないときは$32=0に戻しておかなければいけません。

M3 Constant Laser Power Mode:
これは、いままで通りのモードと考えていいようです。スピンドルならM3は時計回りの回転ですが、レーザーには時計回りなど関係ないので、とりあえずM3で出力オンにしていたというわけです。ちなみにM4はスピンドル反時計回り、M5がスピンドル停止。

M4 Dynamic Laser Mode:
これが今回改良されたDynamic Laser Power Scaling with Speedのことだと思います。M4はスピンドルでは反時計回りですが、ここではそのMコードをかわりにつかっているようです。
このレーザーモードにおけるM4は、レーザーヘッドのスピードに合わせて出力を調整してくれる機能で、動き出した瞬間や折り返し地点などでスピードが落ちてしまったときに、それに合わせて出力も落としてくれる(焦げにくい)という感じです。まだ実験していないので、どのくらい効果あるのか分かりませんが。
この特性のためかM4の場合、レーザーヘッドが動いていないときは出力が0になるようです。仮に消し忘れたとしても、ヘッドが止まっている限りはレーザー出力0になるのでいちいちオフにする必要がないらしいです。
つまり、
$32=1
M4
を最初に入力すればいいということでしょうか?(追記:M4 S1000などと入力する)
しかし、基準となる出力(素材に合わせた出力値)はどこで設定するのかまでは書いていません。もしかしたら、設定済みの加工最速フィードを100%出力に設定してあるのかもしれません。それとも、M4 S500とでも入力すれば、最速でS500(50%出力)ということになるのでしょうか?
この機能がすべての素材に適合するかどうかは分からないので、事前に要テストして欲しいと書いてあります。
やはり、試してみないとまだわからないという感じです。いずれにしても、以前の使い方(M3)にも切り替えられるし、結局は使い分けという感じになるでしょうか。
いちいち手入力でGコードを修正するのも面倒なので、以前Laser Tool Plug-inのエラーを解消したときのように、Laser Tool Plug-in自体はpythonで書かれているためソースコード自体を改造すればいいかもしれません。

PWM周波数:
ちなみに、スピンドル用PWM周波数は、デフォルトで1kHに設定されているようです。
それが記述されているcpu_map.hファイルを見てみると、
おそらく145行目のこれ↑のことかと思います。Laser Tool Plug-inのJ-tech laser仕様に合わせているようです。厳密には0.98kHz。これを142〜143行目のどれかに変えれば、PWM周波数を高く設定できるようです。これを見る限り16bitではなく8bitみたいですね。
$32=1でレーザーモードがオンですが、grbl1.1の質問スレを見ると、$32=2や$32=3のようなオプションもあるようなことが書いてあります。実際どうなるか試してないので分からないですが。

ということで、M3とM4のカットの違いをそのうち試してみて、近々結果を報告したいと思います。
追記:実験結果はこちら

最新版Grbl1.1をインストール

早速grbl1.1をインストールしてみました(Macの場合)。基本的にはgrbl0.9のインストールと同じようです(grbl0.8と0.9のインストールについてはこちら)。
注意としては、もうすでにgrbl0.9や0.8などをArduino IDEに以前インストールしてある場合は、保存されるフォルダ名が同じなので、一旦古いのは捨てたほうがいいです(もしくは古い方をリネームしておくとか)。
Macの場合なら、
/Users/username/Documents/Arduino/libraries内のgrblフォルダ(旧バージョンのgrbl)を捨てる。

Arduino IDEによるインストール方法:(インストールの仕方はこちらを参照
このページの緑色のボタン(Clone or download)のDownload ZIPを選択。
「grbl-master.zip」ファイルがダウンロードされるので、それを解凍すると「grbl-master」フォルダが出来上がります。
次に、Arduino IDEを立ち上げて、メニューバー>スケッチ>ライブラリをインクルード>.ZIP形式のライブラリをインクルードを選択(以下)。
そうすると、ファイル選択の画面がでてきて、先ほど解凍した「grbl-master」内の「grbl」フォルダを選択(以下)。
そして、Arduino IDEのメニューバーでファイル>スケッチの例>grbl>grblUploadを選択(以下)。
そうすると、以下のようなgrblのプログラムが書かれた画面がでます。
注意書きとして、ここには何も書き込まないようにと。

あとは、ArduinoボードをUSB接続して、「検証」「マイコンボードに書き込む」を押してアップロードします。メモリめいっぱい使って書いてあるコードなので、書き込みが不安定になることがあるような注意がでますが、なんとか書き込めればOKです。

たまに、中国製Arduinoボードの場合、シリアル通信用のICが違うためか(CH340など使用している)、Arduino IDE上のシリアルポート選択でボードのポートが見当たらないときがあります。そのため専用ドライバが必要な場合もあります。「CH340 Arduino」などで検索すると、専用ドライバが見つかると思います。

Arduino IDEのシリアルモニタでgrbl設定内容確認:
Arduino IDE画面の右上にあるシリアルモニタ機能を使ってアップロードしたgrblの内容を確認してみます(アップロード後、一度Arduino IDEを再起動してみたほうがいいかもしれません)。
こんな感じ↑で、「Grbl 1.1e ['$' for help]」が先頭にでます(ボード再接続やIDEの再起動しないとでないかもしれません)。画面右下のbaudrateは115200bpsを選択。
$$
を入力してリターンを押せば、このような各設定がでてくるかと思います。
あるいは、$I(ドル大文字アイ)を入力すれば、
[VER:1.1e.20161208:]
というように、バージョンとビルドされた日付がでてきます。
あとは、CNCマシンに合わせて各項目を設定していけば、すぐに使えると思います。
ちなみに、grbl0.9までは$xの各項目のあとに()でそれぞれの説明/コメントがついていましたが、メモリ削減のためgrbl1.1ではカットしたようです。

Universal-G-Code-Senderの場合:
以下はUniversal-G-Code-Senderの画面。バージョンは1.0.9です。
使っているArduinoボードのPortを選び、Baud:は115200、Openボタンを押すと先ほどと同じように、「Grbl 1.1e ['$' for help]」がでて、$$入力で各種設定内容が出てきます。

古いG Code Senderだとダメっぽい:(理由不明/もしかしたら大丈夫かも)
ためしに、やや古いバージョンである1.0.7でやってみると(以下)、
冒頭に「Grbl 1.1e ['$' for help]」は出て来たのですが、$$を入力しても反応なし。
画面中ほどにある「Show verbose output」にチェックを入れてみると、このような↑反応がずらずらと止まることなくでてきました(追記:これは1.0.9でも同じでした)。まだ理由は分かりませんが、1.0.9では大丈夫だったので、この際grbl1.1にすると同時にUniversal-G-Code-Senderも1.0.9の最新版にアップデートしておいたほうがよさそうです。

同様にbCNCの場合もそうでした。ということから、grbl1.1にバージョンアップするなら、G Code Senderも最新のものにしたほうがよさそうです(理由不明)

追記:
上記画面でShow verbose outputにチェックを入れると、このように連続的に状況がアウトプットされるので、通常はチェックを入れないでおく方がいいです。

その他エラーなど:
Known Issuesに書いてありましたが、USBシリアル変換チップであるCH340Gが搭載されているArduinoボード(特に中国製クローンに多い)でシリアル通信のエラーが発生するらしいです(いまのところ対応策なし)。
同様にAtmel 16U2(ATmega328ではなく)を搭載してあるボードにも同様のエラーが生じるようです。解決方法などはKnown Issuesのリンク先にのっています。

ということから、grblを使うならATmega328搭載のArduinoボードのほうがよさそうです。

以下は個人的メモ:grbl0.9jの時の設定内容(grbl1.1へこの設定を引っ越し)
$0=10 (step pulse, usec)
$1=25 (step idle delay, msec)
$2=0 (step port invert mask:00000000)
$3=2 (dir port invert mask:00000010)
$4=0 (step enable invert, bool)
$5=0 (limit pins invert, bool)
$6=0 (probe pin invert, bool)
$10=3 (status report mask:00000011)
$11=0.010 (junction deviation, mm)
$12=0.002 (arc tolerance, mm)
$13=0 (report inches, bool)
$20=0 (soft limits, bool)
$21=1 (hard limits, bool)
$22=1 (homing cycle, bool)
$23=0 (homing dir invert mask:00000000)
$24=30.000 (homing feed, mm/min)
$25=600.000 (homing seek, mm/min)
$26=25 (homing debounce, msec)
$27=5.000 (homing pull-off, mm)
$100=320.000 (x, step/mm)
$101=320.000 (y, step/mm)
$102=320.000 (z, step/mm)
$110=1000.000 (x max rate, mm/min)
$111=1000.000 (y max rate, mm/min)
$112=400.000 (z max rate, mm/min)
$120=10.000 (x accel, mm/sec^2)
$121=10.000 (y accel, mm/sec^2)
$122=10.000 (z accel, mm/sec^2)
$130=740.000 (x max travel, mm)
$131=940.000 (y max travel, mm)
$132=190.000 (z max travel, mm)

2016年12月12日月曜日

GRBL1.1(最新版)本格的にアップデート

どうやらgrbl1.1がようやく本格的にアップデートされたようです(1.1のリンクはこちら)。
10月くらいにアルファ版のような感じででていましたが、まだ改良の余地が残っていたようで、ようやく一段落したみたいです。1.1のWikiページにも一通りの情報が掲載されたようです。0.9jのほうはそのうちおしまいという感じです。これまでは、grbl0.9jが安定版でしたが、この際1.1にアップデートしてしまってもいいかもしれません。

v1.1で特に改良されたのは:
・Real-time Overrides
 マシン動作中でもフィードやスピンドルの速度を変えたりできるようです。
・Jogging Mode
 ジョグ機能がGコードとは独立した仕組みになっているようで、ジョイスティックやロータリーダイヤルなどを使って操作もできるようです。今まではGコード送信で擬似的なジョグ操作をしていたようです。$J=というコマンドが使えるようです。
・Laser Mode(実験結果についてはこちらへ
 レーザーに合わせた動きに対応、可変出力も可能。
・Dynamic Laser Power Scaling with Speed
 ヘッドの速度と同調してレーザー出力を調節してくれるため、従来は角(加工パス上の)が焦げやすくなっていたけれども、それが改良されている。
・Sleep Mode
 $SLPをコマンド入力すると、ステッピングモーターも含めスリープ状態にすることができる。
という感じです。
Laser Power Scalingにいくつか問題があったようで、それが解決されたのをきっかけに今回本格的にリリースされたのかもしれません。確かにレーザーを使う人にとっては、焦げがなくなってかなり便利な機能です。

Arduinoボードへアップロードする方法は、従来通りArduino IDEでできるようです。Arduinoボード上のピン配列は、grbl0.9jと同じようなのでそのまま1.1をアップロードすれば使えそうです(もちろん各種設定はし直さないといけませんが)。
grbl0.9jでも充分なのですが、せっかくなのでv1.1を今度試してみようと思います。
ただ、以前Forumで見たときは、bCNCのオーバーライド機能とはまだ連携していないらしく、いろいろあるG Code Senderが、grbl1.1に対応するのを少し待つ必要があるかもしれません。

追記:grbl1.1のインストール(Mac)については次の投稿へ

2016年11月30日水曜日

オシロスコープ DS202

少し前に、ポータブルデジタルオシロスコープDS202をAliExpressで購入したのですが、しばらく使うこともなく放置していました。今回試しに使ってみました。

AliExpress.com Product - New arrived Pocket Handheld Oscilloscope DS202 mini Display full Color TFT LCD 320X240 Digital Oscilloscope cheaper than dso20311,438円(送料込み)

外形:100x56x10mmのポータブルなデジタルオシロスコープで、2CHついています。
Analog bandwidth:1MHz
Max sample rate: 10MSa/s
Max sample memory depth: 8K
Analog input impedance: 1MΩ
Max input voltage: ±40V( X1 probe)
大体1万円前後で売っているのですが(AliExpress内で探せばもう少し安いのがあるかもしれません)、購入したときはセール品でもあり8,501円でした。

追記:
今現在AliExpressで検索したところ、DS202は8,509円(その後9,167円に戻ってました)で売っているところがありました。セール品かもしれません。ちなみに、スマホ用アプリから注文すると少し安くなる場合があります(アプリ価格)。

ちなみに、アマゾンだと安いものでこのくらい。

このDS202の下のランクDS201だと1CHで性能もやや低く少し安くなります。さらに上位機種のDS203であれば4CHなのですが、少し値段も高くなることから、2CHのDS202が無難かなと。
なぜか商品名がDSO202だったり、DS202だったりと違いますが、DSO〜というのはひとつ古いタイプなのでしょうか?そのへんは分かりません。


AliExpress.com Product - LIXF-CCDSO Mini Digital Oscilloscope 4 channels DSO203 Quad Oscilloscope metal shell PortableDS203 4CH 14,686円(送料込み)
こちらは4CHついていて、スペックもやや上。ものすごく高価というわけでもないので、これもいいかも。


いままでは、秋月のテスター(たしか1000〜2000円くらい)をよく使っていました(以下)。
これでも簡単な作業においては充分だったので、そのうちオシロスコープを買おうと思いつつも、結構高価(数万円)なのでついつい見送っていた感じです。

しかし、最近はDS202のようなポータブルなデジタルオシロスコープも安くなってきたので、しかもAliExpressだとなおさら安いということもあり購入することにしました。DS202は、操作がタッチ式ボタンなので(液晶画面上がタッチパネルではない)、やや操作しにくいのですが慣れれば大丈夫だと思います(ツマミや回転式ダイヤルのほうが操作はしやすいのですが)。ただ、据え置き型のオシロスコープと違って、どこにでも持っていけるので、ある意味便利かもしれません。

DS202の中身はこんな感じ。右上にある赤黒プローブは追加で購入(購入時:566円送料込み)しました。どうやら付属のプローブは1セットしか入ってないようなので(消耗品でもある交換可能なプローブ先端部品は4個入ってました)。バッテリーはUSB経由で充電です。
一応、ここに(www.minidso.com)アクセスすれば、最新のファームウェアやPDFマニュアル、そしてForumがあるので、サービスはきちんとしているほうだと思います(基本、中国語か英語ですが)。

AliExpress.com Product - High Quality Digital Hook Probe Mcx for Mini Digital Oscilloscopes DSO201 DS203 DSO QUADこのシリーズ用のフックプローブ 638円(送料込み)


DS202を使ってみる:
ということで、使い勝手はどうか試してみました。
ただ電圧を測っても仕方ないので、何か信号っぽいものはないかと思い、CNCシールドV3.0上のスピンドル用の端子(PWM端子)を計測してみることに。
まずは、CNCシールドV3.0+ArduinoをMacBookにUSB接続し、G Gode Senderでスピンドル可変制御のコマンドである
M03 S500(50%出力)
を入力してみました。
以前の投稿のように、grbl0.9でCNCシールドV3.0を使う場合は、シールドV3.0上のEND STOP Z+かZ-がスピンドル用の端子となるので、それを確かめてみるという感じです。

 右上にDS202のプローブをZ+の白黒端子と接続しています。白端子がPWM、黒端子GNDです。今回は1CHだけの使用です。このプローブ(追加で購入したほう)の先端はピンをくわえられるようになっているので便利です。

コマンドでArduinoにM03 S500を送信したので、予想通りデューティ比50%の矩形波が表示されました。画面下のほうに、計測した値+V:+5.12V、Duty:50%とでています。多少ノイズも含まれているので、Vmax:+5.92Vとなっています。周期は▲T +128uSとなっています。
こんな感じで計測できます。右側にあるタッチ式のS、Mボタンと十字キーで、各種設定や計測を行います。波形の拡大縮小も十字キーで簡単に変えられます。
テスターでもある程度は計測できるのですが、このように矩形波が視覚的に確認できるので、やはりオシロスコープのほうが便利です。今後何かあれば、積極的に使っていこうと思います。

画面をキャプチャする方法:
しかし、ひとつ疑問に思ったのは、この画面をキャプチャ出来ないものか? マニュアルを見てみると、やはりキャプチャできるようです。bmp画像として、右のボタン操作(あるいは右上側面にあるポーズボタンを長押しでショートカット)で可能なようで、このDS202内に保存されるようです。パソコンとDS202をUSB接続すれば、パソコンからDS202にアクセスできるので、内部に保存されたbmpデータをパソコン側に移動するだけです。ちなみにファームウェアをアップデートするときも、USB接続後、パソコン側にダウンロードしたファイルをDS202に書き込むだけです。
この手のものは、大抵Windowsにしか対応してないものが多かったのですが、Macでも問題なくファームウェアアップデートなどできます。

これが↑キャプチャした画像です。

デジタルオシロスコープなので、それなりに機能は色々ついていて便利です。それほど高精度ではないかもしれませんが、8501円にしてはかなり使えると思います。1CHと2CHの波形を合成することもできるようです。機能やスペックを確認したい場合は、マニュアルを見てみるといいと思います。

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