grbl1.1+Arduino CNCシールドV3.5+bCNCを使用中。
BluetoothモジュールおよびbCNCのPendant機能でスマホからもワイヤレス操作可能。
その他、電子工作・プログラミング、機械学習などもやっています。
MacとUbuntuを使用。

CNCマシン全般について:
国内レーザー加工機と中国製レーザー加工機の比較
中国製レーザーダイオードについて
CNCミリングマシンとCNCルーターマシンいろいろ
その他:
利用例や付加機能など:
CNCルーター関係:



*CNCマシンの制作記録は2016/04/10〜の投稿に書いてあります。


ラベル G-Code Interpreter の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル G-Code Interpreter の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年2月16日木曜日

Grbl1.1の$コマンドやGコードについて

Gコードについてはまだまとめていないので、とりあえず覚書程度に書いておこうと思います。
普段Gコードや$コマンドについては、やっているうちに覚えるだろうと思って、それほど深く勉強はしていません。作業の効率化が必要というほどでもないので、だいたい動けば問題ないという程度です。全て覚えようとすると大変なので、いつも使っているGコードや$コマンド(よく使うものや設定の際に必要そうなもの)についてです。

参考としているのは、
・Grbl:CommandsページConfigurationページ
LinuxCNC/クイックリファレンス
・一般的なNCコード(ここがわかりやすい

まずは$コマンド(Grbl用)から:
$$
CNCマシンの各設定を表示させるコマンド。$$と入力。一度設定してしまえば、あまり用はないかもしれませんが、たまに間違って設定したままになっていることがあります。レーザーモード($32=0または$32=1)をオンにし忘れていたなど。とりあえず通信できているか確認する時にもよく使います。

$I
Grblのバージョンを確認するコマンド。$Iと入力。
入力すると、[VER:1.1e.20161208:]などと表示され、バージョン1.1、2016年12月8日ビルドということがわかります。古いバージョンだとバグが直っていなかったりするので、最新の方がいいと思います。問題がありそうなら最新バージョンにしてみるというのも解決策だったりします。特に問題なく動いているのであれば、そのままの方がいいかもしれません。

$X
ロック解除。$Xと入力。最初にCNCマシンと接続開始すると、このコマンド(あるいは専用ボタン)を押さないと、その後の操作ができないようになっています。また作業中に異変があって自動停止したあと再開する時も入力する必要があります。

$H
$Hを入力するとホーミングサイクルが開始します。ただし事前に$22=1で設定をオンにしておく必要があります。ホーミングサイクルによってリミットスイッチを頼りに機械原点を探しに動き始めます。
リミットスイッチの設置や事前の設定がなされていない場合は、$22=1にしたり、$Hに相当するボタンなど押さないよう注意した方がいいと思います。

$G
$Gと入力すると(あるいは毎回表示される)、現在アクティブになっている設定モードが出てきます。
[GC:G0 G54 G17 G21 G90 G94 M0 M5 M9 T0 S0.0 F500.0]
それぞれ何なのか、最低限これくらいを覚えればいいと思います。
G0は位置決め用の早送りモード(G1に変更しない限り移動速度は一定)、G21で単位はmm、G90で絶対座標を使用中など。
例えば、この設定の状態のまま[G0の速度($110で設定)で、単位はmm(インチではなく)、絶対座標(G90)]、X10とだけ入力するとX軸座標10mmの位置へ動くことになります。最後の項目でF500.0が設定されていますが、G0になっているため$110で設定した速度が優先されます。もしF500の速度を反映したい場合はG0をG1へ切り替えます(G1と入力)。

$J=
ジョグ操作コマンド。
$J=G91X10F100入力で、現在地からXを10mm分F100の速度で動かすというジョグコマンド。これはGrbl1.1からの新機能で、従来まで(Grbl0.9)は、$Gにある設定モードに左右された入力方法になっていましたが、それとは無関係に入力できるようになりました。例えば、$G内で早送りモード(G0)かつ絶対座標設定(G90)になっているときに、相対座標(G91)でゆっくり(G1)ジョグ操作したい時には、今までは設定を変えてからジョグ操作し、それが終わればまた元の設定に戻すということでしたが、元のモードに戻さなくても$Gの内容はキープされたままというわけです。
ペンダント(ジョグダイヤルやジョイスティックなど)で操作する場合は、これを使った方がいいらしいです。フィードが設定されていないと動かないのでFも入力必要。

$3
XYZ軸の移動向きの設定。配線したものの、実際動かしてみるとY軸だけ逆の動きになっていたという場合は、ここで向きを反転設定できます。
$3=0 (N/N/N:X軸/Y軸/Z軸:デフォルト値)
$3=1 (Y/N/N:デフォルト値に対してX軸だけ反転)
$3=2 (N/Y/N:デフォルト値に対してY軸だけ反転)
$3=3 (Y/Y/N:デフォルト値に対してX軸とY軸を反転)
$3=4 (N/N/Y:デフォルト値に対してZ軸だけ反転)
$3=5 (Y/N/Y:デフォルト値に対してX軸とZ軸を反転)
$3=6 (N/Y/Y:デフォルト値に対してY軸とZ軸を反転)
$3=7 (Y/Y/Y:デフォルト値に対してすべて反転)
例えば、Y軸だけ反転したいのであれば、$3=2を入力


$10
現在のマシンのステータスを知らせる設定。$10=1になっていないと、使っているG Code Senderに現在の座標値MPosやWPosが表示されなくなります。$10=2にすることでバッファの内容を表示することもできるようですが、通常は$10=1でいいと思います。たまにMPosやWPosが表示されなくなったというときはここをチェックしてみるといいと思います。

$13
$13=0で作業単位mm、$13=1でインチ。

$20
ソフトリミット設定。$20=0でオフ、$20=1でオン。
$130、$131、$132で、そのCNCマシンのXYZ軸の最大移動距離を設定できます。ソフトリミットをオンにしておけば、この設定距離を超えると自動停止してくれます。$Xで再開。

$21
ハードリミット設定。$21=0でオフ、$21=1でオン。
リミットスイッチを各軸につけておけば、$21=1にすることでリミットスイッチが押された時に自動停止してくれます。$Xで再開。

$22
ホーミングサイクル設定。$22=0でオフ、$22=1でオン。
ホーミングサイクルを可能にするには、各軸にリミットスイッチを接続する必要があります。
$Hをコマンド入力(あるいは専用ボタン)すると、ホーミングサイクル開始となり、Z軸が+方向へ、続いてXとY軸も+方向へ移動し、リミットスイッチを感知して機械原点MPos(0,0,0)を見つけ出します。通常は左奥上が機械原点MPos(0,0,0)となり、作業エリアはWPos座標上では全てマイナス座標となります。毎回作業前に、ホーミングサイクルを行えば、CNCマシンは機械原点を覚えるので、その後座標をずらしても常にどこにいるのか把握できます。
しかし、実際の作業はMPosとは別に作業用の原点WPos(0,0,0)を任意の位置に設定し(G92で)、WPosを元に位置を割り出すので、MPosがなくても問題ありません。ただ、複数の部品を複数の座標系を使って作業するときなどは、MPosが絶対座標となってくれるのであった方がいいとはおもいますが、個人的にはホーミングやMPosは毎回使っていません。

$23
ホーミングの際のXYZ軸の動く方向の設定。通常は右奥上ですが、使いやすいように左前上に設定する人もいます。$3の反転設定の表と同じで、デフォルト($23=0)に対してY軸だけ反転したい場合は$23=2を入力。

$24
ホーミングの際にリミットスイッチ手前で位置合わせする移動速度。正確に位置合わせをするためにゆっくりめの速度にしておく。20〜50mm/minなど。$24=25などと入力。

$25
ホーミングでリミットスイッチを探しに行く際の移動速度。最高速よりは遅めで。
$25=600などと入力で600mm/minで移動開始します。

$26
ホーミング中にリミットスイッチを押した際のデバウンス/チャタリング(特に機械式スイッチ)防止用のディレイ時間。20〜250msec程度。$25=50と入力でディレイ時間50msecに設定。

$27
ホーミング終了後、安全のためリミットスイッチから少しだけ離れておく距離の設定。1〜5mm程度。例えば、$27=3.0と入力でリミットスイッチが押されたポイントから3mm戻った位置に止まるように設定。

$32
レーザーモードの設定。$32=0でオフ、$32=1でオン。
Grbl1.1からはレーザモード機能が追加され、主にはダイナミックレーザーモード(M4)というヘッドの移動速度に応じてレーザー出力を微調整する機能があります。
従来までは、$32=0のまま、M3S500(レーザーオン、出力50%)などと入力していましたが、$32=1にするならば、M4S500となります。
レーザーを使わないのであれば、$32=0にしておいた方がいいと思います。

$100、$101、$102
XYZ軸のsteps/mm設定。CNCマシンのスペックに応じて設定する必要があります。
以下の条件であれば:
・ステッピングモーター:1回転200ステップ
・ステッピングモータードライバのマイクロステッピング設定:1/8
・送りネジの1回転で進む量:5mm
1/8のきめ細かさでマイクロステップすることになるので、ステッピングモーターは200x8で1回転するには1600ステップ、1回転で送りネジが5mm進むので、1600/5=320steps/mmとなります。$100=320などと入力。
ここは最初に設定すれば、もう変えることもないでしょう。

$110、$111、$112
XYZ軸の最高速度設定。mm/min。
例えば、$110=1000を入力でX軸を1000mm/minに設定。
これらの値は、G0の速度に適用されます。

$130、$131、$132
XYZ軸の最大移動距離。
そのCNCマシンの各軸の移動可能な距離を入力しておくことで、$20=1でソフトリミットをオンにした時にこの値を越えれば非常停止するようになります。
例えば、$130=600を入力でX軸の移動可能な距離を600mmまでと設定。

おそらく初期設定で必要な$コマンドはこのくらいでしょうか。その他の設定はデフォルトのままでも大丈夫かと思います。


ここからGコード:
G0
位置決め用の移動速度モード(速め:一定速度)。
最初はG0になっていますが、G0またはG1のどちらかにモードを切り替え指定します。
$$で表示される$110、$111、$112(XYZ軸の各最高移動速度)に設定してある一定速度で動く。速度を設定し直したい場合、$110=800などと入力し直す。
ジョグボタンで移動する場合は、この移動速度が適用されます。G0のままF100などフィードを入力設定しても移動速度はG0($110〜$112)の速度になってしまいます。一時的に速度を変えて動かしたい場合は次のG1を入力してモードを変えるか、ジョグ操作であれば$J=を使うといいと思います。
ある地点へ斜め方向に移動する場合、X軸もY軸も固定速度($110〜$112で設定した速度)で動くため、例えばX軸が目標となるX座標へたどり着いたら、Y軸だけがまだ動き続けているという現象になることがあります。最短距離で目標地点に動くのではなく、各軸の固定速度で動くために折れ曲がった軌道を描くことから加工作業には適していないようです。

G1
フィード(F)設定による移動モード。Gコードで設定した速度で移動可能なモード。G0とは違って、その都度設定したフィードで動きます。主に加工用のモードです。モードがG0になっている場合は、G1を入力することで、このモードに切り替わります。
加工条件に合わせたフィード設定が必要となります。F値が設定してない場合(F=0になっている場合)は、移動コマンドを入力してもフィード未設定というエラーが出るので、F値も忘れずに入力。

G2、G3
円弧を描く移動モード。G2が時計回り、G3が反時計回り。
G0とG1が直線なのに対し、G2とG3が円弧で動くという程度で覚えておけばいいと思います。円を描く際には、このほかI、J、K、Rなどの値も設定しなければいけないのですが、わかりにくいのでCADなどで描いてGコード化した方が早いかもしれません。
G2 X0 Y0 I0 J-20 F300
これは以前実験のために使った円を描くGコード(現在地から時計回りに半径20mmの円を描く)ですが、直感的にわかりにくいです。
G2(円弧時計回り)、X0 Y0(終点座標/開始点でもあるけど)、I0 J-20(現在地からの中心座標の差分)、F300(300mm/minのfeed速度設定)。
IはXに、JはYに対応しており、J-20の部分は、現在地からY軸方向へ20mm下がったところに中心点があるという意味になります。
この程度の試運転用Gコードであるならば、覚えるというよりも、コードを記録しておいてコピペして使ったり、ソフトのボタンなどに割り当てておけばいいと思います。

G17
作業がXY平面という設定。これも変えたことがない。G18(XZ平面)、G19(YZ平面)らしい。おそらくXY平面が基本となることがほとんどなので、これもこのままでいいかと。

G21
作業の単位がmm。G20でインチへ変更可能。これも大抵はmmなので、このままでいいかと。動きが変だと思ったら一応チェックする程度。G20かG21で切り替え。

G28、G30
G28(あるいはG30)を入力することで、予め任意に設定しておいた位置(ツール交換位置、ホームポジションなど)へ移動。位置を記憶させるには、ジョグボダンなどで任意の位置まで移動し、その地点でG28.1を入力する。同様にG30.1でもうひとつの位置を登録できる。


G54
これは変えたことがない。G54〜G59までの6種類の異なる加工用の座標系を登録しておくことができるようです。その都度単体のものしか加工しないのであれば、おそらくずっとG54のままで大丈夫かと。大量生産や異なる部品を複数作業台に並べて加工するときは、それに合わせて複数の座標系があったほうが便利なので、そのうち使うかもしれないという程度。

G90
絶対座標系。これは位置調整するときに、よく使うかもしれません。G90X10Y20Z10などと入力。
絶対座標なので、X10という移動コマンドは座標上のX軸10mmの位置へ移動ということ。10mm右へ(X軸上に)動かすというのと混同するので要注意。
よく勘違いしていたのは、G90のままX10を入力して右へ10mm動いた後、再度X10を入力してさらに10mm右へ動かそうとしたのに動かないという現象。この場合は次の相対座標(インクリメンタル/増加分)の設定にしないといけない。
ちなみにG90のままX0Y0Z0と入力すれば、原点に移動ということになります。
G90を入力して、一旦絶対座標に切り替えると、変更しない限りこのモードは持続します。

G91
相対座標系(インクリメンタル/増加分)。G90と比べればわかると思いますが、G91を入力してX10を入力すれば、現在地から10mm右へ動きます。再度X10を入力すれば、さらに右へ10mm動きます。人によっても違うと思いますが、直感的に絶対座標の方がイメージしやすい場合と相対座標の方がイメージしやすい場合があると思います。10mm右へ移動した後、あと5mm右へ移動したいと思うか、それとも15mmの位置へ移動したいと思うかの違いです。
よくあるミスとしては、あと5mm右へ動かそうと思って(相対座標系でのイメージ)X5を入力したら、G91ではなくG90になっており、いきなり原点近く(座標上のX5mmの位置)まで戻ってしまったという現象。移動途中に障害物などなければいいのですが、材料固定用金具にぶつかってしまったり、場合によっては作業エリアをはみ出るまで動こうとしたりするのでかなり危険です。
なので、毎回G91X10と入力すれば、その勘違いも防げると思います。

G92
座標系の設定コマンド。現在地の座標を任意の座標値にセットするコマンド。
例えば現在地でG92X0Y0Z0を入力すると、そこがWPos(0,0,0)に変更されます。また、G92Z20と入力すれば、現在のZ軸の高さが20mmという設定になり、プローブなど使ってZ軸の位置を設定する際に使います。
大抵は、材料に対してのスピンドルの位置決め(加工原点出し)の時に使います。
ソフトによっては、「X=0」というような現在の位置を原点にしてくれるボタンもありますが、同じコマンドを使っているというわけです。

G94
毎分送りというフィードの単位設定。F800mm/minやF20inch/mmという〜/mm。これもこのまま。
このほかG95なら毎回転送り〜/revolutionらしい。G93だとInverse Timeモードと言ってF2.0なら1min/2.0つまりその工程を30秒で終わらせる速度となるみたいです。ここまでは覚えなくても良さそう。

M0
プログラム一時停止。起動させれば、残りの工程を再開。このほかM1も一時停止。

M3
スピンドル出力オン(時計回り)。Grblでスピンドルを制御している場合。ただしM3S1000などと、S値も入力しないといけない。M3S0ならスピンドルオンだけれど出力ゼロ。Grblの場合、S0で出力0%、S1000で100%。
ルーターやミリングでは、加工中にあまりオンオフはしないけれども(Z軸の昇降で切削するかしないかなので)、レーザーなら常に加工中はオンオフしたりS値で出力の強弱をつけたりします。ただし、Grbl1.1からはレーザモードが導入されたため、M3(従来の方法)ではなく、M4を使う方が便利かもしれません。

M4
スピンドル出力オン(反時計回り)。Grblでスピンドルを制御している場合。これもS値が必要。M4S1000などと入力。
Grbl1.1の場合、M4はレーザーモードとして機能が割り当てられています。M3でもレーザー可変出力加工は可能ですが(Grbl0.9の方法)、M4のレーザーモードにするとヘッドの移動速度に応じてレーザー出力を微調整してくれます。その結果、移動開始直後やパスの折り返し地点などの速度が変わる箇所の焦げムラが少なくなります(かなり効果あります)。ただし、M4を使うには事前に$32=1でレーザーモードをオンにしておく必要があります。

S
スピンドルの出力値。GrblならS0で0%、S500で50%、S1000で100%。Arduino Unoの11番ピン(PWM)を使っており8bitの設定になっているようでS0~1000とは言っても256段階しかないようです。cpu_map.h内でPWM周波数を変えることができます。デフォルトは0.98kHz。
ルーターやミリングならスピンドルモーターの可変制御を可能にしてくれるTTLモータードライバをCNCシールドのSpnEn(pwm)へ接続する必要があります。
レーザーならレーザー用TTLドライバを接続し、可変出力制御が可能になります。
オンオフしかできないリレーを使っている場合は、S0(オフ)かS1000(オン:Max値)に設定することになります。

M5
スピンドル停止。Grblでスピンドルを制御している場合。特にレーザーの場合はM5でオフにするかS0で出力ゼロにしないと危険。

M9
クーラント停止。冷却装置をつなげていなければ関係なし。

M30
プログラム終了。Gコードの最後につけることで、作業の終了ということを告げます。生成したGコードファイルをエディタなどで見てみると、たまにM30がない時もあるので、書き足しておくといいと思います。

T0, M6
ツールチェンジ。Tはツールの種類。M6で加工作業中で異なる刃に変えるときのコマンド。これも使わないかと。オートツールチェンジャがあって、自動で刃先を変えてくれるなら必要かもしれませんが、普通は加工中断して手で変えることになると思います。加工途中でのツール交換すらあまりしないし、したことはないです。

F
フィード。送り速度。G1(加工用の移動速度)で必要なフィードを設定します。単位は大抵はmm/minですが、たまにmm/secになっているソフトもあったりします。
個人的には、F600(10mm/sec)くらいがゆっくりめのちょうどいい速度という感じがします。
素材や加工方法に応じて、この速度を設定しなければいけません(詳しくはこちらなどで)。
X10Y20F600などと入力すれば、X軸10mm、Y軸20mmへ600mm/minで移動します。


このうち実際使うのは、$$、$X、M3、M4、S、G90、G91くらいでしょうか。あとはだいたいソフトのボタン操作になるので、それほど覚える必要はないと思います。ただ、ちょっとした動きを確認したり、トラブルがあった時に、コンソール画面のコマンドを多少読めた方がいいというくらいです。
当初はGコードも覚えないとダメなのかなと思っていましたが、ソフトでGコードを自動生成してくれるので、ほとんど覚えなくても作業上問題ないという感じです。
Gコードを入力するとエラーが出る場合は、このページにエラーコード表があるので見てみるといいと思います。設定や入力の仕方が間違っている場合があります。

実際の使用例(接続から加工までの流れ):
・CNCマシンと接続(ソフト上のOpenボタン押す)
・$Xで初期ロック状態解除(Unlockボタンでも可)
・$$で設定内容表示(一応確認)
・ジョグボタンで動作確認(少し動かしてみる)
・必要であれば、ここでホーミングサイクル($H)、機械原点MPos(0,0,0)のセット
・材料を作業エリアに固定する
・Gコードファイルの読み込み(ファイル読み込みボタンなど押す)
・ジョグボタンで材料左手前角に移動(XY軸のみ)
・ジョグボタンでZ軸(刃先)を材料上面ぴったりまで下げる(移動量0.01〜0.1mmボタン使用)
・この位置を加工原点WPos(0,0,0)にセットする(「X=0」ボタンなど押す、もしくはG92X0Y0Z0)
・Z軸を材料上面から少し上げておく(5mm程度の逃げ)
・加工スタート
・加工終了
という感じで、Gコードファイルを読み込ませて加工するときは、Gコード手入力はほとんど使いません。ボタンがソフト側にもついているので、それらのボタンで済んでしまいます。ホーミングサイクル($H)も普段はやりません。MPosではなくWPosで位置決めするという感じです。

このほかG41とG42のオフセット(工具径補正)機能もあるようなのですが、Grblには実装されていないようです。G41(左へオフセット)とG42(右へオフセット)のモードをキャンセルするG40は入っているみたいなので、将来的に実装されるのかもしれません。ただ、Arduino UNO(ATmega328)では、もうメモリに余裕がないので、Arduino MegaやArm CoreのArduino などになってしまうと思います。
ちなみにオフセット加工については、Jscutbcnc、あるいはIncscapeでも可能です。



さらに追記していく予定です。曖昧な部分もあるので、知っている方いらっしゃったらコメントお願いします。

2016年5月15日日曜日

CNC関連のソフト(まとめ)

CNCマシン制作の構想段階当初から、Macで使えるオープンソースのCNC関連のソフトをいろいろ探しています。数年前の流行が一段落したせいか、一見よさそうだけど開発が止まっているもの、便利そうだけどバグがあったりとなかなか見極めが難しそう。Macなので数はかなり限定されるのですが、いままで見て来たソフトのリスト。
Mac利用者からの見ての使いやすさで★〜★★★つけてます。初心者向けという感じで、必ずしも高機能がいいというわけではなく。すぐに使えるかどうかという基準で。それと今後の開発も期待できるかどうか。Linux系はMacでも使えることがあるけど、インストールが面倒だったり、Mac特有のバグがあったりするのであまり触っていません。Raspberry Piにインストールして使えば便利そう。

主には以下の5種類。

・2Dドローイングソフト:
  svg、dxfなどのフォーマットで出力できるもの

  Inkscape★★★
    イラストレータの代用(イラストレータのショートカットキーに変換可)。
    Extension(Plug-in)との組み合わせで充分使える。
    スナップ機能も細かく設定できるのでCADのように製図できる。
    Forumも充実しているし、2Dやレーザー加工はこれがメインで大体大丈夫だと思う。
    オフカット(Outset/Inset)機能でルーター加工パスもつくれる(使用例)。

・3Dモデリングソフト:
  stlなどの3Dフォーマットで出力できるもの

  Fusion360★★★
    3Dモデリング操作しやすい。
    無料版が最低1年間は使える。その後また更新?
    Gコードも生成可能。
    クラウドベースなので共同作業がやりやすい。
  Blender★★☆
    操作方法が独特で慣れるまで大変だけど、基本的に何でも作れる。
    Add-on(プラグイン)も豊富にある(シリアル通信なども可能)。
    BlendercamでGコード生成可能。
  ・SketchUp:★★★
    操作が直感的で扱いやすい。
    プラグイン「Export DXF or STL」をインストールすると便利。
    プラグイン「SketchUcam」をインストールすればGコード生成も可能。

・CAM/G Code Generator:
  図面データ(2Dデータ:svg、dxfなど、3Dデータ:stlなど)をGコードに変換してくれる

  Fusion360★★★(使用例
    3DモデリングしながらGコードも生成できる。3Dプリンターにもいいかも。
    商用ソフトでもあるので、かなり本格的(設定などが細かい)。
    レーザー加工用の機能がないのがちょっと残念。3D加工向きかも。
  Blendercam★★★(使用例
    Blenderと組み合わせて使えば便利。
    様々な3Dデータを読み込むことができるので、Gコード生成用としても使える。
    3D切削加工はほぼ可能。
  gcodetools(Inkscape Extension):★★☆(使用例
    やや開発が停滞しているようだけど、基本的なGコードは生成可能。
    最初は使い方に違和感を感じるけど慣れれば簡単。
  Laser Tool Plug-in(Inkscape Extension):★★★(使用例
    レーザー加工するならこのInkscapeとこのプラグインで簡単に設定できる。
    操作/設定がシンプルで使いやすい。
  ・Laserweb3/Laserweb4:★★★(使用例
    ブラウザ上のレーザー用アプリ。Laserweb4は単体アプリ化。
    Gコード生成とGコード送信もこれ一つで出来るので便利。
  Jscut★★★(使用例
    Webベースなのでブラウザ上で作業が可能。
    シンプルで使いやすい。オフカットなどのパスも生成可能。
    他のWebベースのGコードセンダーと組み合わせて使うと遠隔操作可能なので便利。
  ・PyCAM:★☆☆
    インストールが面倒、Macにはバグもあったり、しばらくは改善されなさそう。
  ・SketchUcam:★★★
    SketchUpのプラグイン。
    SketchUpと合わせて使うと便利。

・G Code Sender/Controller:
  Gコードを読み込んでCNCマシンへ送信したり手動入力制御したりするPC上のアプリ

  Universal-G-Code-Sender★★☆
    シンプルなので最初は使いやすいかも。
    grblとの相性がいいのかも。
    JavaベースなのでMacも充分使える。
    開発中の新バージョンに期待したいけどいつになるのか?
  GrblController★☆☆
    数年前までは使っている人もいたみたい。開発が止まっていそうで、今後あまり期待できない。
    基本的なことはできるけど、他に比べるとやはりいまいち。
  bCNC★★★(bCNCを使ってみたときの記事はこちらへ
    操作も比較的シンプル。
    dxf読み込み可能、基本的なCAM機能もある。
    Autolevel機能もあるので基板制作にも向いている。
    Pendant機能でWeb上からスマホなどで遠隔操作可能。
  LaserWeb/LaserWeb2/LaserWeb3/LaserWeb4★★★
    ブラウザ上の操作はシンプル。svg、dxf対応。Jscutと組み合わせると便利。
    Webベースなので遠隔操作可能(最近はWebベースが主流かも)。
    ブラウザ上でstlファイルを読み込むことができる。
    まだまだ開発が継続されているので今後も期待ができる。
  cheton/cnc★★☆
    これもWebベースでつかいやすそう。
    Webカメラでの監視、320x240 LCDディスプレイ対応の操作画面もある。
    Raspberry Piを用いて操作などすると便利そう。
    今でも頻繁に開発が進んでいそう。
  ・GRBLWeb:★★☆
    こちらもWebベースでRaspberry Piにインストールしてホストとして使うのかも。   
  ・Easel:★★☆
    X-CARVEやShapeoko(1or2)用のWebベース、CAD+CAM+GrblControllerソフト。
    X-CARVEやShapeoko(1or2)用だけれども使うことはできる。
    ただ、Machine選択でX-CARVE/Shapeoko(1or2)/Carveyしかないから戸惑うが、ウィンドウ下のAdvanced>> に進み、Advanced SettingsでMachine Inspectorを使えば大丈夫。
    細かい設定はないけれどもオールインワンなのですぐに使うにはいいかも。
    ステップバイステップで設定が誘導されるので初心者にはわかりやすい。   
  ・Mach3:☆☆☆
    MacなのでMach3とは無縁。

・G Code Interpreter:
  CNCマシンのマイコン(Arduinoなど)上のファームウェア
  Gコードからモーター制御してくれる
 ・Grbl v1.1:★★★(Grbl v0.9やv0.8はこちら
   Arduino Uno用。3軸制御まで。
 ・Grbl-Mega
   Arduino Mega2560用。
   以下のフォークされたバージョンでは4軸制御や3Dプリンター制御など可能。
   https://github.com/bdurbrow/grbl-Mega
   https://github.com/fschill/grbl-Mega
   https://github.com/HuubBuis/grbl-L-Mega
   https://github.com/fra589/grbl-Mega-5X
 ・GrblESP(ESP8266用Grbl)
   SPI通信により最大8軸。Wifi操作可能。
 ・Grbl_ESP32(ESP32用Grbl)
   基本3軸制御? Wifi/Bluetooth操作可能。
 ・Android対応ArduinoMega2560専用6軸ファームウェア
【EU Free VAT】CNC Part 4th Fourth A axis Rotary axis Dividing head K11-65mm 3 Jaw Manual Chuck with TailstockOriginal price: USD 233.37Now: USD 172.70

  ・LinuxCNC★★☆
    GrblもLinuxCNCに準じているようなので、すべてLinuxを使えばかなり便利そう。
    ただ、Linuxもやり始めると手間暇かかってしまう。
    少なくてもRaspberry PIを使ってできるかもしれない。
  ・TinyG★★☆
   Grblより強力そうだけど、それだけ値段も高いのでお手頃ではない。$165ドル。
   ファームウェアはAVR Studio(Win用)でアップデート。Mac用AVR Studioもあることはある。
  
  
まとめ:
基本的にはG Code InterpreterはGrblを使用。
2D加工するなら、Inkscape+Extension(gcodetoolやLaser Tool Plug-in)でGコードファイルを生成する。あるいは、InkscapeのsvgファイルをJscutで読み込んでGコードファイルとして出力。
特に2Dのレーザー加工の場合は、Inkscape+Laser Tool Plug-inで充分だと思う。
Gコードファイルを読み込んで実行するソフトは、Universal-G-Code-Senderがシンプルでわかりやすいかも。現在は、bCNCが便利なので(慣れたので)使っていますが。
3Dの場合は、モデリングは何のソフトでも構わないと思う。Sketchupなど使いやすいと思うソフトで。その3DデータをFusion360かBlendercamでGコードを生成する感じになると思う。

この際、Linuxにしてもいいのかもしれないけれど、手間暇かかるのでそこまではしないつもり。Macの環境でもそこそこつくりたい物はつくれそうだし、とりあえずあるものを利用するだけでも充分だと思う。

ただ今後はRaspberry Pi3を使い、wifi経由でWebベースのLaserWeb2、cheton/cnc、Jscutを使うのがよさそう。遠隔操作やカメラ監視なども可能になるし、ワイヤレスでどこででも作業が出来るというのがいい。スマホやタブレットで操作もできるようになるので。
個人的には、LaserWeb2に期待したい感じ。現在はstlを読み込めるけど、スケール変換などがまだできない。今後のロードマップを見ると、3Dにも力入れようとしているし、まだまだ発展しそう。以下のような画面。

追記:
普段は、G Code SenderとしてbCNCをつかっていますが、bCNCにはPendantという機能(ネットワークを使ってWeb上で操作する)があり、先ほどつかってみたらタブレット(ブラウザ上から)でリモートコントロールできました。

これ↑が、Pendant機能をつかったタブレットのブラウザ上の画面です。
いままで通りに、CNCマシン(Arduinoボード)とMacBookをUSB接続し、bCNCを立ち上げてPendant開始ボタンを押すと機能がONになります(以下)。

ホストとなるMacBook上でもブラウザが自動的に立ち上がって操作画面が出てきます。アドレスに「http://localhost:8080」とでているはずなので、ローカルネットワーク内の他のコンピュータやスマホなどからもアクセスできるはずです。
持っているタブレットでは「localhost:8080」ではアクセスできなかったので、数字でプライベートIPアドレス「192.168.3.3:8080」(MacBookのプライベートIPアドレスとポート)を入れてみたら表示できました。
つまり、MacBookはCNCマシン本体脇に、そしてタブレットやスマホを持ちながらZ軸に近寄って調整などが可能というわけです。ポートマッピングも使えば、外出先からも操作可能だと思います。
bCNCは、いろいろな機能があってかなり便利そうです。

関連:
G Code Sender(bCNCなど)

2016年4月29日金曜日

CNCマシン:試運転+Grblの設定

配線はレーザー以外はほぼ終わったので、試しに動かしてみようと思います。まだコントロールボックスも出来ていませんが、最低でもモーター用DC24V電源とCNCシールドがあるのでなんとか動くはずです。
現状はこんな感じ↑です。まだCNCシールドやDC24V(7A)電源はむき出しのまま。各種スイッチ類もまだ。右奥に少しだけレーザードライバーが見えますが、今回は未接続です。

今回、Arduinoボードにはgrbl v0.9jがアップロードされています(アップロード方法はこちらへ)。
念のため、配線が間違っていないか再確認し、DC24V電源を入れ、CNCシールド付きのArduinoボードをMacBookに接続。もし異音や異臭がしたら即CNCシールドのリセットボタンを押す準備を整えておく。

今回はUniversal-G-Code-Sender v1.0.7を使ってみます。Zipファイルをダウンロード+解凍すると以下のような感じ。
この中のUniversalGcodeSender.jarをダブルクリックするとソフトが開きますが、その前にREADMEに注意書きとして、Macの場合パソコン上に"/var/lock"ディレクトリをつくる必要があると。ターミナルを開いて、以下のコマンド入力(要:管理者権限パスワード)。
sudo mkdir /var/lock 
sudo chmod 777 /var/lock 
*UniversalGcodeSender1.0.8以下のバージョン(最新版は1.0.9)をMacで使う場合は、上のようにコマンド入力でディレクトリをつくる必要があるようです。1.0.9の場合は不必要(未確認ですが)。

これで、ようやくUniversalGcodeSender.jarを開くことができます。以下のような画面。
Port:をArduinoボードのポートに設定。Baud:は115200(grbl v0.8までは9600)。
そして「Open」ボタンをクリック。そうすると以下の画面。
ちょっとモーターがカクッと動いて、上の画像のようにすぐロック状態。これは?と思いましたが、そういう仕様のようです。ただ、ここで確認できるのは、一応つながったということと、Arduinoボード内のGrblが0.9jのバージョンであるということ。
['$H'|'$X' to unlock]とコンソールに出ているので、ロック解除するために$Hか$Xを入力しろと。$Hはホーミングらしいですが、まだよくわからないので、今回は$Xの方で。
$XをCommand:に入力しリターンを押すと、以下の画面。
ロック解除されてコンソールにはokと出ています。これで入力可能になります。
試しに、Command:に
X10
を入力すると、X軸が10mm右に動きます。
X-10
なら左へ10mm。
Y10
なら奥へ10mm。
Z10
なら
上に10mm。

いちおう動きましたが、Y軸だけ逆向きです。
どれかの向きが逆転している場合は、$3で以下のように変えられましたが、まず$3で設定する前に、$$で今の設定内容を確認します。
$$
を入力するとずらずらずらと出てきます。

$0=10 (step pulse, usec)
$1=25 (step idle delay, msec)
$2=0 (step port invert mask:00000000)
$3=2 (dir port invert mask:00000010)
$4=0 (step enable invert, bool)
$5=0 (limit pins invert, bool)
$6=0 (probe pin invert, bool)
$10=3 (status report mask:00000011)
$11=0.010 (junction deviation, mm)
$12=0.002 (arc tolerance, mm)
$13=0 (report inches, bool)
$20=0 (soft limits, bool)
$21=0 (hard limits, bool)
$22=1 (homing cycle, bool)
$23=4 (homing dir invert mask:00000100)
$24=25.000 (homing feed, mm/min)
$25=600.000 (homing seek, mm/min)
$26=250 (homing debounce, msec)
$27=1.000 (homing pull-off, mm)
$100=320.000 (x, step/mm)
$101=320.000 (y, step/mm)
$102=320.000 (z, step/mm)
$110=600.000 (x max rate, mm/min)
$111=600.000 (y max rate, mm/min)
$112=600.000 (z max rate, mm/min)
$120=10.000 (x accel, mm/sec^2)
$121=10.000 (y accel, mm/sec^2)
$122=10.000 (z accel, mm/sec^2)
$130=740.000 (x max travel, mm)
$131=940.000 (y max travel, mm)
$132=190.000 (z max travel, mm)

すこしいじったのでちょっと違うかもしれませんが、こんな感じです。
上からそれぞれの項目の現在の設定内容が出ています。
$3
が、XYZ各軸の移動反転設定です。
最初は$3=0になっており、Y軸だけ逆だったので、以下の設定テーブルを参照して$3=2を入力(設定変更)しました。

  $3=0 X:反転、Y:反転、Z:反転
  $3=1 X:正転、Y:反転、Z:反転
  $3=2 X:反転、Y:正転、Z:反転
  $3=3 X:正転、Y:正転、Z:反転
  $3=4 X:反転、Y:反転、Z:正転
  $3=5 X:正転、Y:反転、Z:正転
  $3=6 X:反転、Y:正転、Z:正転
  $3=7 X:正転、Y:正転、Z:正転

このようなことは、grblのサイトにあるConfiguring Grbl v0.9に書いてあります。
このほか確認するところは、
$13
使う単位をインチにするなら$13=1にすればいいのですが、だいたいの人はmmだと思うので、$13=0で大丈夫かと。

$23
これはリミットスイッチの+方向とー方向の反転設定です。Z軸が逆になっていたので、$23=0だった設定を$23=4に変えました。これも$3の反転テーブルと同じように変えます。

$100、$101、$102
この三つは移動量のstep/mmなのでマシンに応じて変える必要があると思います。
今回のCNCマシンでは、
・各ステッピングモーターは1回転200ステップ
・DRV8825ドライバのマイクロステッピング設定が1/8
・ボールネジが1回転5mm
なので、各ステッピングモーターは1回転1600ステップで5mm進むことになり、320step/mmということになります。
ということから、
$100=320
$101=320
$102=320
を入力してあります。

$110、$111、$112
は、各軸の最高速度のようです。例えば、
G0 X50
と入力すると、最速で50mm右に動きますが、このG0(速度制限なし)のコマンドの速度の10〜20%少なめくらいがいいと書いてあります。現在は$110=600(たぶん遅め)という感じで適当に入れているだけです。

$130、$131、$132
は、各軸の移動可能距離です。$20のsoft limitsや$21のhard limitsをオンにしたときに有効になるようです($20=0、$21=0なのでオフ状態)。一応CNCマシンの移動可能距離は入力しておきました。

とりあえず、動作確認ではこんなものでしょうか。
まあ、とりあえず動いてよかったです。
DRV8825のヒートシンクもそれほど熱くなっていませんでした。Z軸は、けっこう平行を調整しましたが、まだX軸とY軸に関してはきちんと調整していないので(そのため、接合部のボルトは少し緩めで試運転してみました)、これから再調整必要です。

続き(試し描き):
X10やY10で、あるいはG1 X10 F300などのコマンドを使って、それぞれの軸を直線で動かすことはできましたが、円を描かせてどのくらいの精度があるか確かめてみました。円の描き方はShapeoko wikiのこのページを参考にしました。

ミニクランプで水性ボールペンをはさんでXY軸だけの移動で描いてみました。半径20mmです。
一応きれいに描けています。寸法も合っていました。
Gコードはまだぜんぜん覚えていませんが、G90(絶対座標)とG91(相対座標)の設定ができるようです。この実験のときは、紙の真ん中あたりを原点にしていたので、G90の絶対座標設定にして円を描かせました。
円弧はG2(時計回り)、G3(半時計回り)があり、XYのパラメータ以外にIとJ(Rもあるけどあまり使わないらしい)。
相対座標G91でも試してみました(現在地から半径20mmの円を描く/直径40mm円を12時の位置から時計回りに描く)。
G2 X0 Y0 I0 J-20 F300
G2(円弧時計回り)、X0 Y0(終点座標/開始点でもあるけど)、I0 J-20(現在地からの中心座標の差分)、F300(300mm/minのfeed速度設定)

そのうち、この辺の基本的なGコード入力方法をまとめたいと思います。
追記:
Grblの$コマンドやGコードについて

続き:ホーミングサイクル/リミットスイッチのトラブル

2016年3月26日土曜日

GRBLソフトウェアを試してみる

追記:
2017年現在では、このページの内容はやや古いものとなっています(Grbl0.9以前のもの)。
現行のGrbl1.1ならびにそれに対応したG Code Senderを使用する場合は、こちらのページを参考にして下さい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハードのほうは、ネットで調べながらなんとなく検討はついてきました。
ソフトのほうは思っていたより簡単でArduinoがあれば何とかなりそう。
とりあえず、目をつけておいた「CNCシールド」を使おうと思っているので秋葉原で売っていないかチェック。

aitendoで中国製CNCシールドが売っていることが分かった。ネットで買ってもよかったけれども、すぐに試してみたいので店頭で購入することに。aitendoと言えば、昔は自作液晶スクリーン屋だったと思うけど、いつのまにか店も引っ越して、Arduino関係をかなり増やしていた。新店舗もすごい量の商品。全部中国製ぽいけど。まあ、安いから実験するにはいいかも。
追記:
以下のCNCシールドはV3.0(grbl0.8対応)です。最新版はCNCシールドV3.51(grbl0.9)になります。V3.0とV3.51の違い、あるいはV3.0でgrbl0.9/1.1を使う場合についてはこちらへ

CNCシールド950円、安い。ついでにドライバも。

ドライバは、ネットでもっと安いのがあるけど、実験ということで3個購入。
ついでに、Arduino UNOも買っておこうと秋月へ。Arduinoも中国製のクローンでもいいかもしれないけれど、一応純正品を。ArduinoはDiemilanove以後買っていないし、そのDiemilanoveも壊れてしまったので、交換用ATMEGA328も1個購入。
AliExpress.com Product - Free shipping! New cnc shield v3 engraving machine / 3D Printer / + 4pcs A4988 driver expansion board これ↑なんかは(AliExpressで)、シールドとドライバ(4個)セットで456円しかしない。安い。

アマゾンでも売っていて、送料込みで670円(以下)。


これでコントローラーは一応揃ってしまったので、Arduino UnoにCNC libraryを入れてみることに。

手順(旧型Grbl v0.8):*v0.8は古いので、v0.9あるいはv1.1の場合はここをスキップ
https://github.com/Protoneer/GRBL-Arduino-Library
にアクセスし、画面下のほうにある「How to install it:」から、
https://github.com/Protoneer/GRBL-Arduino-Library/archive/master.zip
このzipファイルをダウンロード。おそらく自動解凍するので、
「GRBL-Arduino-Library-master」というフォルダが出来上がる。
フォルダ名を「GRBL」に改名し、Arduinoのlibrariesフォルダへ入れる。Macなら、
/Users/username/Documents/Arduino/libraries
の中へ入れるだけ。
あとはArduinoソフトを起動して、
「Arduinoメニューバー>ファイル>スケッチの例>カスタムライブラリのスケッチの例>GRBL>GRBLtoArduino」を読み込む。
以下の画面が出て来て、
あとはArduinoボードをUSB接続しアップロード(ツール>マイコンボードでArduinoボードの種類、ツール>シリアルポートも正しく選択しておくように)。
これでArduino側は終了。Arduinoボードは、ゆくゆくはCNCマシンのステッピングモーターを動かすために、マシン本体へ取り付けられることになる。


Grbl v0.9の場合:(追記:最新版grbl1.1についてはこちら
上記はGrbl v0.8だったけど、v0.9をインストールすることに。
*Grbl v0.8をインストール済みの場合は、Grbl v0.8を消去してからインストール
つまり、「/Users/username/Documents/Arduino/libraries」内の「GRBL」フォルダを捨てる
このページ(grbl本家wiki)を見ると、Arduino IDEを立ち上げてから、インポートする方法が載っている。
・まずこのサイトの画面右側の「Download ZIP」をクリック。
・そうすると「grbl-master.zip」がダウンロードされる。
・「grbl-master.zip」をダブルクリックして解凍する。
・解凍すると「grbl-master」フォルダができあがる。
・Arduino IDEを立ち上げる。
・「Arduinoメニューバー>スケッチ>ライブラリをインクルード>.ZIP形式のライブラリをインクルード...」を選択。
・そうするとファイル選択のウィンドウが出るので、先ほど解凍したフォルダのほう「grbl-master>grbl」を選択。
・インクルードされたら、「Arduinoメニューバー>ファイル>スケッチの例>カスタムライブラリのスケッチの例>grbl>grblUpload」を選択。

現れた画面↑上で、「検証」、「マイコンへ書き込む」でArduinoボードへアップロード。
以上。

Arduino IDEでArduinoボードにアップロードされたgrbl0.9jを確認する:
CNCシールドを装着したArduinoボードをパソコンとUSB接続し、Arduino IDEを立ち上げて、メニューバーの「ツール>マイコンボード」から使用しているArduinoボードのタイプ(Arduino UnoならArduino/Genuino Uno)を選択。続いて「ツール>シリアルポート」からArduinoボードのシリアルポートを選択。
Arduino IDEの画面右上にあるシリアルモニタボタンをクリックする(以下)。


そうすると、シリアル通信用の画面が出てきます(以下)。
この画面↑右下にあるbaudrateをgrbl0.9以上なら115200 bps(grbl0.8なら9600)にしておきます。

最初に接続すると、上画像にのように「Grbl 0.9j ['$' for help]」と出てきます。ここでArduinoにアップロードされたgrblのバージョンが0.9jであることが確認できます。
続いて、コマンド入力欄に$$(設定内容確認コマンド)を入力し(以下)、
そして、右上の「送信」ボタン↑を押すと、

このような↑、現在のArduinoボード内にアップロードされたgrblの各種設定がでてきます。
それぞれの設定内容(grbl0.9)については、grblのサイトに書いてあります。
例えば、ここで各種設定の下から3行目にある$130=500.000に対して、
$130=300
を入力するとX軸の移動範囲を300mmに設定し直すことができます。
再度、$$を入力し設定内容を確認すれば、
このように↑設定内容の下から3行目にある$130の項目は、
$130=300.000
に変更されたことが確認できます。
このような設定は後々使うG Code Sender(GRBL Controller、Universal G-Code Sender、bCNCなど)で行えばいいのですが、一応Arduino IDEのシリアルモニタ機能でも可能なので、動作確認のために試してみるといいでしょう。


GRBL Controller:
つぎに、CNCマシン(Arduinoボード)をMac上で操作する「GRBL Controller3.6.1」ソフトをダウンロード。「GRBL Controller3.6.1-T4」というのもあるみたい。Win用はこちらから
このソフトで何をするかというと、
・CNCマシンの各種パラメータ(移動距離、移動スピードなど)の設定
・左右前後上下ボタン(ジョグボタン)でヘッドを材料の位置へ移動したり(加工原点設定)
・このソフトとは別にあらかじめ用意しておいたGコードファイルを読み込んでCNCマシンへ送信し加工開始
という感じ。Gコードを送信するためのソフト(G Code Sender)であって、このソフトでGコードを生成するわけではない。Gコード生成(G Code Generator)などほかのソフトについてはこちらへ
追記:
その後、Gコードを送信するソフト(G Code Sender)をいくつか試してみましたが、個人的にはGRBL ControllerではなくbCNCというのが便利で使っています。

あとはステッピングモータードライバ(A4988)をのせたCNCシールドをArduinoボードに装着し、MacとUSB接続、GRBL Controller3.6.1を立ち上げる。
GRBL Controller3.6.1の画面はこんな感じ↑。Grbl v0.8ならBaudRateは9600。v0.9なら115200。
CNCシールド(Arduino)とUSB接続後、Port name、Baudrateを選び、Openボタンで開始。
画面右のほうに3つのタブがあり、Advancedタブを押すと、
こんな画面↑が現れて、GRBL Settingsボタンを押すと各種設定ができそう。

そうすると、こんな設定画面↑が現れて、下から3行目にあるX軸の最大移動範囲(x max travel, mm)に400.000を入力(設定)してみる。数値を入れたらリターンを押してから、下のApplyボタンを押す。しかし、、、
> $28=400.000
error: Invalid statement
というエラーが出てしまう。どうやら、他の項目も同じようにエラーがでるようで、このソフト自体にエラーがありそう。$130=400.000のはずなのに、なぜか$28=400.000と認識しているようで、そのためにエラーがでているみたい。対応する項目がずれているのかもしれません。
なので、画面左にあるCommand欄に手動で、以下のように$130=400を入力しリターン。
そうすると、コンソールには
> $130=400
と出て来て、設定されたはず。ちなみに、先ほどのAdvanced>GRBL Settingsを押してみると、
こんな感じで↑、下から3行目には400.000がきちんと設定されています。どうも、このGrbl Settings画面で入力するとエラーが出るようなので、Commandから手入力したほうがよさそうです。このような理由からも、このソフトは使わなくなりました。
以下は、GRBL Controller3.6.1-T4(こちらはエラーでなさそうです)
GRBL Controller3.6.1-T4の画面はこんな感じ↑。なんか3Dの画面がついてる。

まとめ:
・Arduinoボードへアップロードするプログラム/ライブラリ(Grbl v0.8またはv0.9)
・Mac上で操作するアプリのインストール(Grbl Controller 3.6.1-T4がおすすめ)
の二つが必要。
そして、
・Grbl v0.8の場合はGrbl Controller上のBaudRateを9600
・Grbl v0.9の場合はGrbl Controller上のBaudRateを115200
にする必要がある。
*Grbl Controller 3.6.1のほうは、なぜかエラーがでるので、使うならGrbl Controller 3.6.1-T4のほうがよさげ、機能も豊富だし改善されているようです。
おそらく、Arduino経由でCNCマシンを検索すると(特に日本語で)、CNCシールドやGrbl Controllerに行き着くと思うのですが、Grblで調べると(Grbl Wikiなどから)、Universal G-Code SenderやbCNCというソフトに辿り着くと思います。個人的には、どちらかというとUniversal G-Code SenderやbCNCのほうが使いやすいと思います。
追記:
2017年以降であれば、最新版Grbl1.1を使ったほうがいいと思います。おそらくGRBL Controller3.6.1は、数年前のGrbl0.8用という感じなので(使えないというわけでもないのですが)、Grbl1.1に対応した新しいソフトのほうがいいかもしれません。Grbl1.1についてはこちらへ

「Grbl v0.9 + GrblController3.6.1-T4」 の場合
上記のようにGrbl v0.9をアップロードしたArduino UNOをMacにUSB接続し、GrblController3.6.1-T4をMac上で立ち上げてみました。まだステッピングモーターは未接続。
GrblController3.6.1-T4の画面左上の
・「Port name」でArduinoのポートを選択
・「Baud Rate」で115200を選択
・画面左上「Open」ボタンをクリック
そうすると以下のような画面。
Openボタンで開始したら、Grbl Settingsボタンで各種設定ができます(こちらはエラーでません)。なので、こっちのほうがいいかもしれません。

よくみると「Spindle On」だけでなく「Speed spindle」もついています。TTLドライバ付きのレーザーモジュールならレーザー出力調整できそうです。この機能を生かすには「CNC Shield V3.10」にしたほうがよさそう。先日aitendoで買った中国製の「CNC Shield V3.0」だとgrbl0.8対応なので端子がON/OFF制御になっている(追記:grbl0.9ではピン配列が少し変わったので、それにあわせて接続を入れ替えればV3.0でも使えるようです)。まあ、そのへんは後々バージョンアップしようと思います。
とりあえず、ソフトのほうはなんとかなりそうです。ということで、またハードの検討に戻ります。

関連:
CNC関連のソフト(まとめ):GrblController以外にも使いやすいソフトはあります。
CNCシールドV3.0とV3.1以上の違いについて:(最新版はV3.51)

人気の投稿