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*CNCマシンの制作記録は2016/04/10〜の投稿に書いてあります。


2016年4月2日土曜日

CNCマシン:ボールネジ

最終的には、送り機構をボールネジ+スライドレールにすることになった。
当初はずっとタイミングベルト+タイミングプーリ、V Wheel+OpenRailを使う予定ではあった。歯が半円状になっている2GTのタイミングベルトであれば、基本的にはバックラッシュ0らしいけれども、ベルトを長くするほど伸び縮みの誤差、テンションの差で誤差が生じるのではないかとちょっと懸念していた。メリットとしては、大きさを拡張しやすいところにあると思う。ベルト自体は買い替えても安いものだし、あとはレール部分を長いものにすればいいだけ。

ボールネジは精度がでるけれども、拡張するにはボールネジと両端部のベアリングユニットなど、取り替えるのが結構面倒だし高価でもある。あと金属部品が多くなるため重くなってしまう。据え置き型ならそれでもいいけど、使わないときもあるので邪魔になるだけ。できれば、使わないときはフレームごと壁とかにかけておきたいけれども、もはや15kg以上はあるかもしれない。予定していたよりもかなり重くなってしまった。


















これ↑が、今回使うボールネジの図面。全長L=1100(Y軸2本)、900(X軸1本)、350(Z軸1本)の合計4本。
左側が2段径を落としてあって、Φ10x15mmにNEMA23とカップリングを介して接続され、Φ12x39mmのところがBK12ベアリングユニットに通される部分(39mmのうち左側14mmがM12のネジ山が切られており、BK12ベアリングブロックにねじ込まれ固定される)。BK12には、5mm奥に差し込まれるためさらに5mm減る。右側Φ10x11mmもBF12ベアリングユニットに入る部分。そうなると全長Lから15+39+5+11=70mm減ることになる。さらには、ボールネジ上を動くボールナット+ハウジングで50mm減る。




















上の図がそれぞれの部品の構成図。ほとんど規格化されており、しかもそんなに種類はない。ボールスクリューに関しては、この構成が最も一般的で、AliExpressで売っている部品もほぼ同じ。あとはどこで安く買うかくらい。同じ規格でもコピー商品もあるようで、写真や図面だけでは判断つかない。

ということでもともとのボールスクリューの全長から合計で120mm減るので、これらの部品を使った物理的な移動距離の限界は以下のようになる。

X軸:900-70-50=780mm(目標600mm以上)
Y軸:1100-70-50=980mm(目標900mm以上)
Z軸:350-70-50=230mm(目標特になし、100mm前後でも構わない)

いちおう望んでいるサイズはカバーされているけど、ボルトや部品同士の干渉も含め、もう少し移動距離が減ってしまうと思う。もともとの長さから150〜200mmくらい減ると考えておけばいいのかもしれない。Y軸に関しては、なんとかぎりぎりと言う感じ。もっと長いボールネジにすればいいのではないか?と思うけど、そうすると現在使っている作業台の横幅をはるかに超えてしまうので、作業エリアの確保も大事だけど、外形が大きくなりすぎるのも問題。作業エリア優先ではあるけれども。

以前、既存のフライス盤をNC化するというのをどこかのサイトで見たことあった。仕組みはわかるのだけど、ソフトも含めけっこう面倒だなと思っていた。ソフトはMach2とか3でやっている人が多いと思うけど、Windows対応なのでMacではできない。しかも有料。この手の工学系はWindowsが当たり前だろうけど、なんとか普段つかっているMacでできないものかと思っていた。オープンソース型のArduinoやソフトが出回るようになってから、Macに対応するソフトも開発されたおかげで、今回できそうだなと思った次第。Arduino+Gcode Senderなので、当然Windowsにも対応している。JavaベースのUniversal G-Code-Senderのように、プラットホームに依存せずに使えるので便利になった。
ソフトのほうは、Mac対応が増えてよかったけれども、やはりハードに関してはきちんとつくらなければ精度がでない。ひたすらアルミフレーム2020を格子状に組んで大きめのCNCマシンをつくっている人もいるけど、剛性がとれなければ、せっかくモーターやマイクロステップ駆動で精度が出せても意味ない。最終的にはハード設計が一番大変で、構造的なセンスが必要だと思う。

関連:
ボールネジの仕組みや種類について

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